第15話 国際コーヒー協定

 コーヒー豆には、産出国によってバラバラの国際基準があると前述したが、コーヒーにも生産国と消費国が加盟する国際コーヒー協定なる物がある。

 ICA(インターナショナル・コーヒー・アグリーメント)と呼ばれる物。


 なんだ! あるんじゃない! 国際組織!


 そう胸を撫で下ろした方も多いのでは?

 違うのだ。

 そう話は甘くないのだ。


 この国際コーヒー協定は、コーヒー豆の需要と供給のバランス、価格の安定を測るための物。

 それが、前途多難で紆余曲折があって今に至るのだ。


 干魃かんばつで、コーヒー豆が高騰して、協定自体が無効になってしまったり、安定化のために輸出量を割当てようとして、それで大揉めに揉めたり。


 現在、ほとんどの産出国と消費国が七十カ国以上が加盟している。

 この状況が、長く続けば、夢の国際基準統一! 麻袋の大きさ統一! なんて未来も視野にチラホラ見えてくるのでは??


 頑張れ国際協定!


 しかし、自由で個性的な国の多いコーヒー界隈。そんな堅苦しい物は、嫌いかもしれない。国際協定風前の灯火か?


 美味しいコーヒー豆を正しい基準で楽しめる未来のために、生産国も消費国も皆で楽しく協力できるならば、とても素晴らしいのではないかと、この東の辺境の国で、一人想うのだ。

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