珈琲豆のお話

第14話 流行のイタリアンテイスト

　イタリアでローマ教皇がコーヒー豆に洗礼を授けてから、イタリアでは、コーヒーは美味しく進化した。

　そして現代。

　日本では、イタリアンテイストのコーヒーが流行している。

　流行といっても、かつてのタピオカや高級食パンのような大きなムーブではない。

　コーヒー豆界隈のほんの小さな小波。

　どちらかというと、最近、こんなテイストが好まれるよね？　そんな感じ。

　では、流行っているイタリアンテイストとは、どういった味わいのコーヒーなのか。

　イタリアでは、エスプレッソのようなストロングなコーヒーがある。

　エスプレッソとは、細かく引いた豆を、高温高圧で急速に抽出したコーヒーで、砂糖を入れて飲むのが通常。

　高温高圧の急速抽出……六時間程度のじっくり抽出の水出しコーヒーの正反対。

　味わいも、水出しコーヒーの真逆。

　エスプレッソは、濃い苦みの強い味わいが特徴だ。それに砂糖を入れて甘みを足すことで、ガツンとしたエスプレッソが飲みやすくなる。

　その苦めのコーヒーを、二、三口で一気に飲み干すのが、通な飲み方なのだそうだ。……すごい。

　流行っているイタリアンテイストと言われれるコーヒーも、そういった苦みの強い味わいのコーヒー。

　深煎り中の深煎りの焙煎であるイタリアンローストの真っ黒な苦みの強い豆を使って、苦みの利かせたコーヒーを楽しむのだそうだ。

　元々、マイルドな味わいを好む傾向にある日本人。

　この流行が、いつまで続くかは分からないが、流行している内に、苦みの強い味わいの良さも、分かる舌になっておくのも良いかもしれない。