　麻袋をインテリアに使用したいという方に、一つ注意事項を申したい。

　麻袋を室内で使用するならば、洗って欲しいのだ。

　え〜、せっかくコーヒー豆の香りが良いのに！　と、お思いかもしれないが、これは気をつけて欲しい。

　コーヒー豆には、虫が付いている可能性があるのだ。もちろん、麻袋にも。

　というよりかは、豆そのものよりも麻袋を好んで寄ってくる虫がいるのだ。

　これは、鮮度や管理の問題ではない。

　米と一緒。

　米にはどうしても虫が付き、気をつけていても、うっかり長期保存すれば米から羽ばたく生命が登場するように、コーヒー豆にも特有の虫がいる。

　コーヒーの輸入の際に、極力そんな虫を避ける努力はしている。

　それに、焙煎すればもちろん、高温の焙煎に耐えられる虫はおらず、死滅するのでご安心を。

　だが、新鮮な生豆には、どうしても虫の存在は否定できない。

　だから、麻袋を流用するならば、その辺りの事情もちゃんと理解した上で、お使いいただきたいのだ。

　麻袋を入手して使いました。虫、発見しました。まぁ！　せっかくのおしゃれな部屋に虫が！　ちょっとどういうことなの？？　なんて、麻袋の入手先に苦情を入れるのは、ちっとも粋な大人のすることではない。粋な大人ならば、是非ともそのあたりの事情も熟知して、小粋に楽しんでもらいたい。

　私も虫は苦手なので、気持ちは分からなくないが、そこはスマートに対応してほしい。

　麻袋を手に入れた時に、自分で対策すれば良い話なのだから。

　感情のままに文句を言って、その場は弁償なんて物をしてもらって落ち着いたとして。そういった話が持ち上がるならばと、二度と麻袋の一般流用なんて物は、市場に出回らなくなってしまうかもしれない。

　よく最近の世界は禁止ばかりでつまらないと言う人がいるが、そんな社会を作っているのは、我々なのだということは、忘れてはいけない。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい