第17話 ゲイシャという豆
ゲイシャという名前の豆がある。
そう聞けば、日本産の豆の名前か、日系人が海外の農園で開発した豆だと思う人は多いだろう。
ゲイシャで芸者を想像するのは、無理もない。
だが、この豆は、日本とは関係がない。
では、なぜ日本文化を想像させるような「ゲイシャ」という名前の豆になったのか。
それには、理由がある。
今までにも何度か書いたように、コーヒー豆の名前には、産地が関連することが多い。
モカシダモカがモカ港のシダモで採れる豆で、アマレロブルボンボンジャルディンが、ボンジャルディン農場で採れる豆であるように。
そして、このゲイシャもやはり産地の名前なのだ。このゲイシャという豆が、最初に生まれた土地の名前。
エチオピアの「ゲシャ」という場所で自生してた木から採られたのが始まりだったから、この名前なのだそうだ。
「ゲシャ」からいつしか「ゲイシャ」となり、今では、高級豆「ゲイシャ」として楽しまれている。
この豆、栽培が難しい。
病気に弱い上に、樹の高さが高くで、採るのに手間がかかる。
だから、それほど容易に広まらなかった。
それが、パナマのエスメラルダ農園の努力によって、安定して生産されるようになり、世界で楽しまれるようになったのだそうだ。
香水のように香り高く、果実のようなフルーティさとチョコレートのような甘みを持つと言われる、魅惑の高級豆。それがゲイシャ。
敷居が高く、貧乏人は相手にしない、魅惑の高嶺の花であるゲイシャ。
その香しい味わいは、人々を魅了する。
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