第23話 ごりごり粗挽き
焙煎はちょっとハードルが高いと思う方も多いのではないだろうか。
ええ。とってもハードルは高いです。
それをえいやっと飛び越えるには、知識という助走と思い切りという跳躍力が必要だ。
だが、そういうものは、なかなか自分の中で整わない。
なので、自家焙煎の喫茶店でバイトを始めて必要に迫られたのでなければ、お店でプロのロースターが焙煎した物を楽しむのが良い。
コーヒーは嗜好品。
どうしてもこうでなければならないと決めつけるのは良くない。
皆がそれぞれの方法でそれぞれの都合と好みに合わせて楽しむのが正解なのだ。
誰かの好みを強要するのは良くないし、自由であればこそ、様々な楽しみ方が生まれて新しい味わいを得られるのだ。
ま、コーヒー界隈は自由過ぎる気はするが。せめて、麻袋の大きさくらいは揃えてほしいが。
それでも、ちょっと気になるのならば、焙煎された豆を買ってきて、自分で挽くのはどうだろう?
道具も意外に簡単に手に入る。
電動でも手挽きでも、お好みに合わせて選べば良い。
細かく砕いて濃く入れたいか、荒く砕いて風味重視か。細かく砕きたいなら、電動がお勧め。硬いコーヒー豆を細かく砕くには、手間がかかる。
さて、いざミルに豆を入れたなら、ゴリゴリと豆が削れて弾けるたびに、ふんわり広がるコーヒーの香りをしっかりと楽しもう。
理屈なんて必要ない。
引きたてのコーヒー豆には、素晴らしい芳香がある。この薫りこそがご馳走だし、自分で豆を挽くからこそ味わえるのだ。
好みの豆を買ってきて、お気に入りのミルで挽いたなら、美味しい時間を楽しもう。
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