第28話 ホンジュラスのグレード
最近人気が高くなってきた豆がある。
ホンジュラスの豆だ。
美味しいコーヒーだなぁと思って、どんな豆かと成分表示を見てみれば、ホンジュラス産の豆が含まれていることが多くなった。
これは、ホンジュラスのコーヒー豆の質が向上してきたことが一因らしい。
それにより、ホンジュラスのコーヒー豆が日本で取引される量も増えたのだそうだ。
元々、実はホンジュラスのコーヒー豆の生産量は多い。あのブラジルやコロンビアなどの強豪ひしめく中南米で屈指の生産量を誇っている。
一時期は、サビ病によりコーヒー豆の木がダメになってしまったり、ハリケーンの影響があったり、治安の悪化により生産量が減少したり、と様々な問題を抱えていたホンジュラスの豆。増えてきたのは、とても嬉しい。
では、このホンジュラスの豆。どんな豆なのか。味わいは、当然豆の種類によって違うが、全体的にスッキリとして香り高い豆が多い。
そして……実は、少し雑豆が多い。
それも最近では改善されてきているから、人気は上がっているのだが。
あのブラジルNo.2が、4粒の雑豆でNo.2を名乗っているのに、ホンジュラスは、気にしない。我が道を行く!
もちろん、ホンジュラスにもグレードはある。
SHG、HG。標高千二百メートル以上の産地で栽培された豆だけが、SHGを名乗れるのだ!
ええ! 標高?
そうです! それがホンジュラス!
他国が雑豆の個数や豆の大きさ、品質でグレードを決めているのに、ホンジュラスったら、豆の採れた産地の標高でグレードを決めている。
さすが、自由な国々の多いコーヒー豆界隈。やはりそろそろ、国際基準を……。
(まぁ、最近では、アメリカのコーヒー協会が、Qグレードなるものの認定を初めて、国際基準として広めつつあるようだが……。
ひねくれ者の私は、アメリカに音頭を取られてってのは、ちょっと悲しい。できれば、豆生産国発のグレードが欲しい)。
さて、ホンジュラスのグレードの話。
もちろん、美味しいコーヒー豆を栽培するためには、標高は欠かせない条件ではある。なので、このグレードは、一つの基準としては間違いではない。
しかし、コーヒー栽培者が品質の高い豆を目指す目標点にはならない。だって、農園の場所ですでにグレードが決まっている。
農園標高ガチャによって、良い豆でも高いグレードを成れないなんて、なんて封建主義社会。なんて貴族主義。
いつか、ホンジュラス産のコーヒー豆の美味しくなる努力が、認められることを望む。
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