第13話(超絶改稿)変動していく世界

ゲームセンターにやって来た。

俺達は周りを見渡しながら久々のこの場所の感触を嗜む。

その中で流がかなりビクビクしていた。


誰かに感染症を移すのではないか、と警戒している様である。

俺はその姿に、流、と声を掛ける。

そして笑みを浮かべた。


「.....そんなに心配するな。.....唾液とか血液とか直接相手に付けたりする訳じゃ無いんだ。移る訳がない」

「だけど瞬。この感染症はくしゃみでも移る可能性があるから」

「じゃあその分、最大限に気を付けたら良いんじゃないのかな。俺はそう思う。お前は何も処置をしてない訳じゃない」

「まあそうだけど.....」


流は、.....でも念の為にマスク着けとくね、とマスクを取り出す。

俺はその姿に、準備万端だな、と柔和になった。

流はそんな俺の姿に、当たり前だよ、と告げてくる。

するとその言葉を割く様に陽毬が、あった!、と声を発した。


「.....それか?新作プリクラ台」

「そうそう。一緒に撮りたかったの。みんなで」

「.....有難う御座います。陽毬さん」

「気にしないで。.....ささ。一緒に撮ろ」


それから俺達は写真を撮る。

デコレーションしてみんな目が大きくなったりした。

いや2人は良いけど俺の目を大きくしてもな。

ただの不細工さが増すだけだ。

思ったのだがイジられた。


「あはははは!!!!!」

「面白いですね」

「お前ら。人の顔で遊ぶな」

「良いじゃない。瞬」

「そうだね」


全くコイツらという奴は。

思いながら俺は苦笑いを浮かべる。

それから撮ったプリクラを見る。


そこにはイジられまくった俺と2人が写っている。

やっぱり絵にはなる。

美少女だしな2人共に。


「次何しようかな」

「そうですね」

「クレーンゲームでもしようか!」

「ですね」


当たり前の様に手渡されたプリクラを見る。

それから苦笑しながらもそれを優しく仕舞う。

そしてクレーンゲームの場所に移動する。

そこに猫のぬいぐるみがあった。

流は目もくれなかったが陽毬が欲しそうな顔をする。


「.....陽毬。取ろうか」

「え!?い、いや。良いよ。欲しい訳じゃない」

「嘘を吐けお前。欲しそうな顔しやがって」

「そんな欲張りな顔してないもん」


そして俺は百円玉をクレーンゲームに入れる。

それから四百円ぐらいで取れた。

相変わらず下手くそなもんだな俺も。

そう思いながら猫のぬいぐるみを、ほらよ、と陽毬に渡す。

陽毬は目をパチクリしながら受け取る。


「.....え、えへへ。有難うね。瞬」

「.....ああ.....」

「どうしたの?」

「.....いや。すまん」


何だか可愛く感じた。

思いながら俺は横に首を振る。

いけない、いけない。

そう思いながら。

そして流を見てみる。


「良かったね。陽毬さん」

「そうだね。流ちゃん」

「.....瞬。私もぬいぐるみが欲しい。取ってくれる?」

「あいあいさー」


それから流には犬のぬいぐるみを取ってやった。

犬のぬいぐるみ五百円で取れた。

そして2人はニコニコしながらそれぞれぬいぐるみを抱えたまま笑顔になる。

すると陽毬が、楽しいね。.....この次は何をする?、と聞いてくる。


「.....そうだな。何をする?」

「カラオケ屋とかボーリング場とかある」

「そうだったな。お前らの好きな所に決めてくれ」

「私達?.....そうだね。.....じゃあカラオケ屋でも行きますか」

「飛沫が大丈夫かな」


気にならないと思うが。

思いながら俺は流を見る。

あまり気にしなくて良いんじゃないかな、と言いながら。

すると、うん。そうだね。確かにマスクしているし良いよね、と話し始める。


「.....そだな。.....じゃあ行くか」

「そうだねぇ。お小遣いが無くなりそうだけど楽しむ」

「いやそれ大丈夫か陽毬」

「大丈夫だよ。伸び伸びしないとね」


ニコニコしながら陽毬は猫のぬいぐるみを翳す。

それからVサインをした。

俺はその姿に苦笑いを浮かべながらそのままカラオケ屋に行く。

そして個室にやって来る。


「今日は何を歌おうかな」

「私はラブソング」

「俺は至って普通の曲かな」

「じゃあ私も有名な歌手の歌を歌おうかな」


それから俺達は歌う準備をする。

そうしていると流が、陽毬さん。ちょっとだけ瞬を借りて良い?、と話した。

俺達は、え?、と話す。

すると俺の手が握られた。

陽毬は、?、を浮かべながら目をパチクリする。


「さあさあ行こう。瞬」

「え!?ちょっと待って何処に行くんだ!?」

「えと?.....うん。分かった。じゃあ私は準備してるね」

「宜しくお願いします」


そして俺は何故かトイレ前に連れて行かれる。

俺は、どうしたんだ!?流!、と慌てて聞くと流が数秒間黙ってから、瞬。その。.....陽毬さんって貴方。.....瞬が好きなの?、と聞いてきた。

そんな言葉の衝撃に俺は、!、となる。

そして一気に青ざめる。


「.....答えて」

「確かにその通りではある。.....それで呼んだのか」

「うん。.....そっか。陽毬さんも好きなんだね」

「.....流?」

「何でもない。.....ゴメン」


流は、トイレに行きたかったのは本当。戻って良いよ、と言葉を発する。

俺はその言葉に、流?どういう.....、ともう一度聞く。

だが流は、ダメダメ。女の子にそんな感じで追求したら駄目、と左右の人差し指を唇に添えてそのままウインクして去って行った。

その言葉に俺は複雑な顔をする。


「.....何だったんだろうか」


そんな言葉を一言呟きながら。

俺もトイレに行ってからそのまま戻る。

すると、お帰りなさい、と笑顔で陽毬が迎えてくれた。

その顔に俺は一瞬だけ戸惑ったが。

ただいま、と何とか言葉が出た。

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