第7話(超絶改稿)絶望への反撃

絶望感が襲う。

割と本当に色々と。

果たして俺はどうすれば良いのだろうか。

思いながら時計の針の音を聞く。

普段の数十倍の音がする。


「瞬。えっと起きてる?」

「ああ」

「大丈夫?」

「大丈夫だ。死んで無いから」


そんな感じだしな。

本気で。

でも流はそうはいかない。


流は苦しんでいるから。

だから俺がなんとかしないと。

親父にも山古さんにも協力してもらいたい。

思いながら俺は扉の先に居る流に答える。


「流。お前が浮気して無くて良かった。その分大変だろうけどな」

「大変じゃ無いよ。これは代償だから」

「どういう性病なんだ」 

「梅毒だよ。ゴメン」


梅毒て。

あまりの絶望に俺は愕然とした。

そして流に聞く。

大丈夫なのか、と。

それは感染が?、と言う流。


そんなもん気にしない。

ドアを開けてそこじゃ無いと告げる。

すると流はタジタジする。


「私は汚い女の子だよ。だから近づかないで」

「梅毒はエイズとは違う。不死の病じゃない。お前は耐えまくってる。それもあるからお前の事を認めているから」

「ダメだって。私は汚いから」


キスとかでも梅毒は移るから、と流は一歩下がる。

俺はそんな流の手を見る。

確かに発疹が凄いが。

思いながら、流。本当に頑張ったな、と告げる。

その言葉に涙を浮かべる流。

そして号泣した。


「流。復讐しよう。アイツに。鞠に。俺は絶対に許さない」

「そうだけど。でもやるって言ったのは私だから。だから悪いのは私だから」

「まあどっちでも良いけど。俺は鞠を許さない。絶対に許せない。だから復讐する」


言いながら俺は流を見る。

流は、瞬、とまた涙を浮かべた。

それから俺を抱きしめる。


そして嗚咽を漏らした。

その姿に更なる激昂が俺を襲う。

間違いなく復讐してやる、と。



捕まらなくてもいい。

俺が殺してやる、と思える。

考えながらラブコメラノベを横に置いてから夜遅くになり目を閉じた。

それから寝ると翌日になった様だ。


「瞬。起きて。朝だよ」 

「ああ。そうみたいだな」

「取り敢えず起きたら?」 

「分かった。有難う」


俺はその姿に起き上がる。

それから見てから聞く。

今は薬とか飲んでいるのか、と。

すると頷く流。 


「私は一応薬は飲んでる」

「梅毒の治療薬か」

「高いけどね。薬がいっぱいだから」

「俺も助けようか?薬代」

「要らない。お母さんと五郎さんにお金を借りてるから」


山古さんと親父。

知っているのだろうか今の事を。

思いながら俺はそのまま準備をする。

すると流が俺に向いてくる。

真剣な顔をした。


「別れるよね。考えた?その事」

「ああ。それか。申し訳無いんだが今は保留でも良いか」

「え?あ、うん。良いけど」

「取り敢えず俺は全てを考えてから考えたいと思うから。な?」


でも、と言う流。

俺はその姿に流の額に手を添える。

それから額を弾いた。

すると、あう、と悲鳴を上げる流。

流は涙目で俺を見る。


「お前は考えすぎな。だから落ち着け」

「でも本当に私は汚いんだよ?だったら捨てて良いんだよ?私を」

「捨てないって。俺は。第一お前は俺の義妹だからな。あくまで悪い事をしてないんだから」

「瞬.....」

「落ち着け。だから」


涙が止まらない様だった。

俺はその姿を見ながら頭に触れつつ。

そのまま笑顔を浮かべた。

そして俺はまた流を抱き締める。

何かあったら守るから、と言いながら。


「瞬は優しすぎるから。足元掬われるよ」

「俺は掬われないさ。第一お前相手だしな」

「もう。本当に」


涙を拭うが全く止まらない様だ。

それからハッとした流。

そして俺に向く。


時間が無いね、と告げてくる。

俺はその姿に苦笑して、だな、とまた笑みを浮かべる。

すると流はトンッと俺を軽く突き放して俺から離れてから見上げてきた。


「でもゴメン。やっぱり私は貴方と別れたいです」

「.....!.....流.....!」

「わ、私はやっぱり汚い女の子。だ、だから貴方とは釣り合えない、から」

「.....」


馬鹿な私を許して下さい、と俺はまた涙を浮かべるその姿は、ゴメン、と去って行った。

その姿にただただ呆然としながら窓から空を見つめる事をする。


鞠の野郎。

絶対に許せない。

いや絶対に許さない。

反撃の狼煙を上げる時だ。

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