第6話(超改稿)ダメージ

流は浮気した訳じゃ無かった様だが。

真実として自らを犠牲にして鞠から陽毬を救う為に動いていた。

自らが性病に罹ってまで。


鞠は陽毬の実兄の名前である。

就活が失敗して陽毬に暴力を振るい始めたのを止める為に付き合ったという。

つまりNTRに近いが実際はこうだった。


全ては、陽毬がお姉ちゃんの様でとても大好きだから、と。


だから自らが身代わりになったと話した。

俺は流の事は全部は諦めないと心で思っていたがまさかこんな事態になっているとは思わなかった。

思いながら俺と陽毬、春樹、流は空き教室に集まっていた。

因みに春樹は飛び入り参加。


「まあ何というかドクズってかガチのダメ人間って怖いな。そんな形になっているとは思いもよらなかった」


「人間は感情が不細工になる時はあっという間に崩壊して心も不細工になる。そういう事だろうよ」


「そういう輩はマジに地に堕とすのが最もだろうけどな。それ以外に手段は無いのかねぇ。.....ギャルゲーだと救いようの無い奴はそのまま一直線に地に堕ちるが今は現実だしな。別々に考えないと」


「正直、マジに救いようが無い。警察も介入して行政も介入。しかしよく分からん。その辺りは」


そうしていると陽毬が謝ってきた。

みんなゴメンね。こんな形で付き合ってもらって、と涙声で。

俺も流も春樹も首を横に振る。

それから笑みを浮かべた。


「お前の苦しみに比べたら今はまあ」

「陽毬さん。私も馬鹿だった。1人で何もかもを解決しようとしたから」


でもそのせいで流ちゃんは性病に罹った。私が悪いよ。全部、と泣き崩れる。

俺達はその姿に何も言えなくなる。


そして陽毬は、あり得ない、と悔しさを滲ませた。

そんな陽毬に、大丈夫、と告げる。


「陽毬。俺達もそうだが流もお前の事を心配しているだけだから。今はな」

「そうだけど.....」

「陽毬さん。今は未来を考えるべきだと思います。私は.....間違っていたからやり直すのが難しいけど」


流はそう返事しながらみんなを見遣る。

性病が治れば良いが。

そうして考えていると、良い案とかありゃ良いがな、と春樹が言った。

俺達は悩む。

ふむ、と。


「陽毬さんが.....どんな形であれ本当に幸せに暮らせる様にしたい。私は」

「それは確かにな。今は何も考えれないが幸せを願いたい。だからこそ頑張らないといけない。お前の状態も良い様にしないと」


「俺としては陽毬さんの兄貴は勘当するべきだ。今直ぐにな。良い年こいた大人なんだろ?陽毬さんのお兄さん」


ブツブツ言いながらも短大を一応卒業してるね、と言いながら、今はその。近所のアパートにばかり居るから、と陽毬は震える様子を見せる。


春樹はその姿に顎にまた手を添え、勘当しないとおかしいよな、という感じになる。

陽毬は、有難う、と答える。

それから涙を拭った。


「行政も警察もお兄ちゃん逮捕とか考えているみたいだから」

「先ずは結果待ちだな」

「だね。瞬」

「みんな。有難う」


俺達に頭を下げて陽毬は涙を拭い続ける。

そして涙が止まるのを待った。

すると、みんな時間は?、と陽毬が聞いてくる。

春樹は、部活はサボるしな、と笑みを浮かべた。


「サボりは良く無いが今はその気分にならん」

「そうなのか?」

「あたりめェよ。だって陽毬さんも流ちゃんも苦しんでいるのに」

「有難う。永山くん」

「おう。気にするな」


春樹は満面の笑顔。

俺達はその姿に苦笑い。

すると春樹は、まあでも今日は解散かな?、と俺達を見てくる。

まあそうだな。

行政とか警察の結果が無いし。


「じゃあ解散するか」

「だね。瞬」

「有難う。みんな」


それから俺達は解散する事にした。

そして陽毬は用事があると。

春樹は帰るわ、と。


俺達も帰るかという感じになり。

そのまま帰宅する事にした。

その途中だが。


「瞬」

「どうした」

「私と別れる話。本気で考えてね」

「.....ああ。分かった」


俺達は足取りが重いまま歩く。

そしてなんとか自宅に帰りついた。

それから俺は複雑な思いのまま。

鞄を置いてリビングに入る。

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