第31話(超絶改稿)揺れる心
図書館から出て来た。
今日は2時間近く勉強をしていた。
何というか良かったと思う。
勉強がしっかり出来たから、であるが。
宿題の量も多いしな。
「瞬。.....この後はどうしよっか」
「そうだな。陽毬。どうする?」
「じゃあみんなで一緒に涼しい場所に行こうか」
「それは賛成だな」
俺達はそんな感じで会話をしていると。
流が、私はあまり人気の無い場所が良いです、と話す。
その言葉に陽毬と春樹は顔を見合わせてから俺を見てくる。
そうしよっか、という感じで。
「それから皆さん」
「何?流ちゃん」
「私と接していて嫌じゃないですか?」
「嫌じゃないな。.....むしろあまり心配しなくて良いと思ってるぜ。流ちゃん」
「性病はあくまで気を付ければ感染はしないから。対策を取れば問題ないんじゃ無いかな。流ちゃんはしっかり治療している。だから大丈夫だよ」
言いながら流を見る2人。
俺はその姿を見ながら笑みを浮かべつつ流に向く。
流。良かったな、と言いながら。
そんな流は、うん、と笑みを浮かべて柔和になる。
「私は生きていて良かったかもね」
「そう感じているだけでも良かったよ。.....取り敢えずはな」
「鞠も捕まった。私は世界を見渡せると思う」
「そうだな。捕まったしな」
ようやっとだけどね、と言いながら流はニコッとする。
俺はその姿を見ながら、ああ、と返事をする。
そして俺達は、じゃあどうする?、という感じになる。
それから顔を見合わせていると陽毬が、じゃあ私の家に来ない?、と話してくる。
「それで良いのか?陽毬」
「うん。大丈夫だよ」
「なら行ってみるか。陽毬の家に」
「そうだなぁ。賛成だ」
それから俺達は陽毬の家に移動を開始した。
そうして陽毬の家に着いてから俺達は家の中に入らせてもらう。
4人で家の中に入り.....というか。
よくよく考えたら春樹は初めてか?
思いながら俺は春樹を見る。
「おおう。女子の家は初めてだから緊張するな」
「そうか」
「.....でも何だか安心するな本当に。この場所は.....」
「そうだな」
そう言いながら春樹は俯いて何かを考えていた。
俺はその姿を見ながら、?、を浮かべる。
そして春樹は顔を上げてからそのまま陽毬に付いて行く。
何だったのだろうか、と思いながら俺は春樹の背を見ながら追いかけて行く。
☆
「プチパーティーでもする?」
「それ良いかもな。するか」
「プチパーティーとなるとお菓子が要りますね」
そんな感じでワイワイはしゃぐ俺達。
その中で俺はチョコを撫でながらみんなを見る。
みんなそれぞれが案を出し合っていて.....そして和んでいた。
すると流がこう切り出す。
「じゃあ近所のコンビニに買いに行きませんか?」
「それは.....全員でか?」
「そうだね。全員だけど.....でも別れて行った方が良いかな」
「それもそうだな。今家に俺達しか居ないしな」
そして、じゃあどう分割します?、と流が切り出す。
すると春樹が、んじゃ男同士で行くわ、と手を挙げる。
そうしてから春樹は、行こう。相棒、と言葉を発してくる。
相棒なんぞ久々に言われた。
何かあるのだろうか。
「春樹。置いてくなよ」
「じゃあ私達はここで準備してるね」
「そうだな。頼んだ」
それからいそいそとこの場を直ぐに去って行く春樹を追う。
そして玄関から春樹が表に出た時。
歩きながら俺は思い切って聞いてみた。
春樹。お前何か悩みがあるのか、と。
すると、.....まあそうだな、と溜めて言葉を発した。
盛大に溜息でも吐く様に。
「怒らずに聞いてくれるか」
「.....俺は別に怒ったりしない。お前の悩みなら尚更な」
「そうか」
天を仰ぐ様な仕草をする春樹。
それから、実はな。俺は陽毬さんが好きになったみたいでな、と苦笑して言う。
俺はまさかの事に、!、と思いながら春樹を見る。
だけど相棒。絶対にこれは陽毬さんには言わないでくれ、と言い聞かせてくる。
「俺は陽毬さんの横に立つ自信は無いからな」
「.....春樹.....」
「そのうち消えるさ。この気の迷いは。情けないけどな」
「.....情けなくはない。陽毬は良い女の子だ。.....お前が惚れるって言うのも分かると思う」
「陽毬ちゃんは優しいからさ。だから好きになってしまった」
だけど俺は陽毬さんを支えるのは絶対に無理だ。
俺なんかがな。
だからお前には頑張ってほしい。
陽毬さんを幸せにしてほしい、と春樹は笑みを浮かべる。
そしてコンビニにやって来る俺達。
「お前が陽毬を支えられないってのは流石に無い。お前なら.....お前ならあり得る」
「そんな訳あるかい。俺はただキモいエロオタクだからな」
「.....」
「そんな顔するなって。俺は.....お前だけに悩みを聞いてほしかったから丁度良かった。有難うな。ただそれだけ。そしてこれから先はもうこの気持ちは捨てるから。安心したまえよ」
「.....」
ハッハッハと笑う春樹。
本当にいつも有難うな。瞬。
だから俺もお前が好きだ、と笑みを浮かべる。
その顔に俺は.....本当に何か。
複雑な思いを抱きながら見ていた。
この何とも言えない。
目の前の壊れた吊り橋の先に宝があるのに渡れない様な。
そんな複雑な感情だった。
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