第二章 流が失ったもの
流の過去と
第20話(超絶改稿)周りへの信頼を流が失った過去(上)
俺と流と陽毬は.....一心同体の様な気がする。
本当に色々あったけどでもそれでも.....一心同体だ。
この3人で1つの.....結晶体だと思う。
ダイヤモンドよりも相当に硬い。
思いながら夜.....客間で寝ていると。
すらっと襖が開く音がした。
俺は、?、を浮かべると。
何かが落ちる様に思いっきり布団にドサッと音がした。
「.....へ.....お、お前!?流.....!?」
「瞬。黙って。.....みんな起きちゃう」
「い、いやそれは分かるが.....!?」
「.....」
流は背中を俺の背中にくっ付けてくる。
するとこんな言葉を発した。
私.....良かった、と。
俺は、?、を浮かべて背後を見る。
そんな流は、私は陽毬さんと対等に勝負したい、と話す。
「.....私は.....馬鹿だった。.....見失う所だった」
「流.....」
「私は迷って全てを見失って.....天国で絶対に後悔した.....」
すると流がこっちに身体を移した様に話してくる。
私は本当に愚かだね、と言いながら。
俺はその言葉に、そんな事は無い、と言葉を発した。
それから俺は流の方を見る。
「.....流。.....お前が踏み止まってくれた勇気.....それは本当に凄い事で.....お前は愚かじゃない」
「.....でも瞬。私は何も見えなかったんだよ?馬鹿野郎だよ。ただの」
「それはその時だろう。.....俺はお前を決して愚かだとは思わない」
「.....」
流は涙を拭いながらまた泣く。
俺はその姿を見ながら流を抱きしめる。
それから頭を思いっきり撫でた。
頑張ったな、と言い聞かせながら。
「.....ねえ。瞬」
「.....何だ?」
「私、貴方に会えて良かった」
「.....俺もお前に会えて良かった。.....お前自身の成長を見れるしな」
「.....」
すると俺達は見つめ合う形になる。
その時に赤面した流。
俺はその姿に目を逸らしていると。
流がこんな言葉を発した。
「.....私は.....お父さんと別れて.....暗く薄暗い泣きたい気分だった.....その時に貴方が私を救ってくれた.....その恩はいつまでも忘れない。この恋がどんな形で収束しようとも私は貴方を応援している」
「そうか。なら俺はお前を応援している」
「.....瞬.....」
「俺な。.....お前が最高の人だって知った」
そう言いながら俺は天井を後頭部に手を添えて見上げる。
流が俺を見ながら、私の過去は悲惨だった。だから.....、と何かを思い出す様な感じを見せる。
それからお互いに顔を見合わせる。
俺はその顔を見ながら、だな、と言い合う。
☆
思えば流との出会いは運命的だったと思う。
5年前の出会いだが。
うちの父親が職場の同僚さんと再婚するという形になって出会ったのだ。
それから再婚して.....うちにやって来たのが流だった。
早乙女流さん。
俺は.....いや。
流も俺を嫌悪していた。
所詮は相手は赤の他人だろう、という事で、だ。
俺達の仲を見ながら親父達は心配していたが、まあ大丈夫だろう、という形になったのだが.....それから1年ぐらい話をする事は無かった。
結局を言えば大丈夫では無かったのである。
だがその中で.....ある日の事だ。
俺は学校から帰宅してから流のその姿を見た。
それは.....自分の親父の飾られている仏具を血が出るまで布で磨いていた事を。
俺は、???、と思いながら襖の隙間からその姿を見ていた。
それっきりかと思ったが。
365日。
ずっと毎日毎日毎日そんな事が続いていた。
俺は流石に堪らず2年目の初っ端に聞く。
お前は何をしている、と。
すると流は死んだ様な目で俺に向いた。
「.....貴方に関係ありますか」
と、である。
俺は堪らず、お前がそんな事をすると不愉快なんだが、と声を掛ける。
流はこの言葉に、私の勝手でしょう、と言った。
俺は、ああそうだな。勝手だけど.....でもお前がそんな事をしているのは見過ごせない、と回答する。
「.....正直、俺は.....お前が傷付く姿は見てられない。お前の母親から任せられているんだ俺は」
「.....傷付くって。.....手から出血しているだけですけど」
「これめっちゃ乾燥しているせいだろ。お前な」
「.....私の事は放っておいて下さい」
冷たく突き放す流に俺は堪らず、おい!、と声を荒げる。
すると流は怒った様に俺に向いた。
どうせ貴方も同じでしょう!!!!!男ってのは穢らわしいですから!!!!!、と言いながら絶叫したのだ。
俺は、.....それはどういう意味だ、と衝撃を受けながら聞く。
「.....私の痛みを.....近所のお兄さんに変な事をされたのを知っていますか。エッチな事をされた.....のを知っていますか!」
「.....それでお前は.....」
「そうですね。.....それで心配になって引っ越して再婚したみたいですけど.....でも私は信頼してない。.....そもそも男を信頼してない」
「.....」
それから俺を突き放した流。
その事に俺は諦めた様に部屋を出たのを覚えている。
でも流のそんな言葉を聞いて忘れられる筈もなく。
俺は彼女に何が出来るか考えていた。
そしてそのまま翌日になったのを覚えている。
流が倒れていた。
身体が弱っていたらしくインフルエンザに感染して高熱で、だ。
☆
「.....?」
俺は流を背負ったまま家を飛び出した。
裸足で、だ。
それから俺は高熱の流を背負ったまま近所の医院に向かう。
救急車を呼べば良かったとは思ったが。
俺はその前にそんな事をやってしまった。
というか救急車に乗っている人達に嫌な事をされるんじゃ無いかって思ったから。
だからそれなら俺が連れて行こうって思った。
身体が先に動いてしまったのだ。
「何を.....しているんですか.....」
「流。.....黙ってろ。.....お前は倒れたんだから」
「.....何で.....こんな真似.....を」
「それはお前が義妹だから、だ」
「.....」
流を必死に抱えてきてから。
俺は医院の中に飛び込んでから診察をしてもらった。
親父達も20分後ぐらいに来てから。
そのまま薬を貰ってから点滴をしてもらって帰って来た。
☆
「本当に有難う。瞬くん」
「いえ」
そんな会話をしながら俺は流の部屋の流を見る。
看病は流の母親が心配しながらやり始めた。
なので俺は別の部屋に戻る事にする。
すると出ようとした時。
「.....有難う.....」
とボソッと声がした。
俺はその言葉に流を見る。
流は俺の姿に横を見る。
有難う、と言われたのは初めてだったので驚きながら、どういたしまして、と言葉を発して去った。
「.....」
俺は流と流の母親が席を外している間に流の親父さん。
涼介さんの仏具を整えようと仏壇を見る。
アイツが綺麗にしていたし、と思いながら掃除をする。
それから仏具を整えながら居ると。
「瞬くん」
「.....あ.....」
そんな仏壇の部屋に流の母親がゆっくり入って来た。
それから俺の目の前で正座をしてから、有難う。今日は、と話した。
俺はその言葉に首を振る。
当たり前の事をしたまでです、と言いながら。
「.....それと流が何時もやっている事をやってもくれて有難うね」
「いえ.....大丈夫ですけど.....あの」
「.....何?」
「.....一体何故、流はこんなに必死に仏具を磨いているんですか?」
その言葉を投げ掛けると流の母親はこう回答した。
それが.....あの子の反省なの、と。
俺は、?、を浮かべて流の母親を見る。
そして.....。
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