第11話(超絶改稿)溢れ出す想い

俺達は家の中に入ってからそのままリビングに向かう。

それから陽毬をソファに腰掛けさせてから。

俺達は台所で作業をする。

紅茶でも淹れてやるか、という感じになったのだ。


「紅茶.....甘くない方が良いですよね?」

「そうだね。流ちゃん。それでお願い。.....有難う」

「俺は今日は甘い紅茶を飲もうかな」

「うん。分かった。瞬」


それから紅茶を淹れ始める。

その姿を見ながら俺はテキパキと作業をする。

すると陽毬から、本当に夫婦みたいだね、とクスクスと言われた。

俺達はまさかの言葉に顔を見合わせてからボッと赤面する。


「そ、そんな事はないです!」

「そうだぞ!?陽毬!」

「うん。でもお似合いだと思うよ?お2人さん」


陽毬は何だか寂しげに反応する。

俺はその姿を見ながら、?、を浮かべつつ見ていると。

ハッとした陽毬は笑顔になった。

それから、ご、ゴメンね、とワタワタする。


「.....でも本当にお似合いだと思う。お2人さん」

「だってよ。瞬」

「.....そうだな。.....まあラブラブではあるな」

「あはは。見せつけてくれるねぇ」


そんな言葉を陽毬はニコニコしながら言う。

俺達は赤くなりながら俯いた。

そして紅茶が仕上がったので持って行く。

すると、そういえば流ちゃんは結局、瞬の何処に惹かれたんだろ?、と笑みを浮かべながら紅茶を受け取る。


「私ですか?.....私は.....瞬の笑顔です。.....優しさにもそうですが」

「へぇ.....良いね!まあ瞬は良い人だからね」

「良い人は言い過ぎだ。.....まあ多少なりとでも良い人を演じているけどな」

「多少じゃないよ。瞬。.....貴方は良い人。.....昔からね」


陽毬は言いながら俺の肩に手を添えてその後に紅茶を飲む。

俺はその姿に、そうだな、と返事をしながら流を見る。

流はニコッとしながら俺達を見ていた。

すると陽毬は、私の大切な人を幸せにしてね、と流に告げる。


「.....はい。.....陽毬さんの思い絶対に大切にしたいって思います」

「うんうん。助かるよ」

「.....」


俺は2人を見据える。

それから紅茶を飲んでいたが。

何か違和感を感じていた。

どういう違和感かといえばそうだな。

陽毬の動きがぎこちない感じがするのだ。


「ちょっとお手洗い借りても良い?」

「あ。はい」

「.....」


考え込みながら俺は陽毬を視線だけで追う。

それから陽毬はトイレに向かった。

俺はその姿を見ながら居ると、瞬、と声がした。

顔を上げると流が俺を見ている。


「気付いた?何か違和感があるの」

「.....うーん。お前も感じていたのか」

「そうだね。.....何かぎこちない感じだったよね」

「そうだな。.....一体何故だろうな」


俺達は考え込む。

しかし答えは出なかった。

俺はその事に、流はどう思う。陽毬の事、と聞く。

すると、陽毬さんは多分.....何か抱えているんだろうけどそれが何か分からない、と言ってくる。


「他人行儀なのが気になる」

「.....まあそうだよな。確かに」

「取り敢えず陽毬さんに聞きたいけどそんな事を聞ける根性も無いしね」

「まあ確かに」


そうして話していると。

外で雷が鳴った。

そして風が思いっきり吹き始める。

俺達は、!?、と思いながら外を見る。

あっという間に嵐になってしまった。


「あ.....陽毬さんが帰れないね」

「マジかこの天気」

「まあ.....6月だから」

「そうだけどさ」


すると陽毬が戻って来た。

それから、あら.....、という感じになる。

俺はその姿に、陽毬。泊まっていったらどうだ、と提案してみた。

陽毬は、へ!?、という感じになる。

何というか明日は職員会議で臨時で休みだし。


「.....そうですね。.....陽毬さん。久々にどうですか?」

「え.....でもお邪魔じゃないかな」

「この嵐の中帰る方がマズいだろ」

「えっと.....じゃ、じゃあお邪魔.....しようかな」


陽毬は控えめに反応しながらも嬉しそうな感じを見せる。

俺達は頷きながら、じゃあ親に許可を貰って、と言う。

そして流が動く中。

陽毬が俺を見ているのに気が付いた。


「どうした?陽毬」

「.....あ!?い、いや!?」

「.....???」


困惑しながら、な、何でもないよ、と否定する陽毬。

それから、さ、さー!そうなったら動かないと!私がお邪魔になっちゃう!、とテキパキ動き始める陽毬。

俺はその姿にますます、???、を浮かべた。


それからその日は親とか陽毬のご両親に電話したりゲームとかしたり一緒に勉強したりして時間を潰す。

夜になるのも楽しくてあっという間だった。

久々に嬉しい気持ちになる。



「.....眠くなってきたな.....そろそろ。寝るか」


そんな事を呟きながらの深夜。

午前1時を回った所だ。

俺は睡眠を取ろうと横になっていたが全く寝れない。

思いながら時計の音を聞きながら天井を見上げていた時。

ドアがキィッと開いた。


「.....?」


俺はその方向を確認する。

そこには流では無く。

何と.....陽毬が居た。


それから俺の元に近付いて来る。

俺は慌てて目を瞑る。

薄目を開けると陽毬が俺のベッドに入って来た。

そして数秒してから陽毬は、へ!?、と声を発する。

何か違和感を感じたのだろう。


「な、何で.....この部屋に瞬が居るの!?」

「それはこっちのセリフだ!?此処は俺の部屋だ!部屋を間違えたんだろ!」

「あ、そ.....そういう事か」

「そういう事か.....って」


陽毬は部屋を間違えたらしい。

俺を見ながら酷くびっくりしていた。

その姿に苦笑いを浮かべる俺。

すると陽毬は、えっと、と言い出す。


「.....」

「.....」

「.....も、戻らなくて良いのか」

「な、流ちゃんは寝ている」

「.....」


で、でもこれは駄目だよね。

流ちゃんの彼氏さんなのに一緒に寝るなんて、と動こうとするが。

起き上がった時に身体がフラッとした様だ。

慌てて俺は支える。


「慌てて動くな」

「.....」

「.....陽毬?」

「ね、ねえ。瞬。相談に乗ってくれる?」

「.....何の相談だ。この時間?今から?」


今じゃないと駄目なの、と陽毬は言ってくる。

それから俺の横にまた寝転ぶ陽毬。

俺は電気を点けるのを止めてから寝転ぶ。

そして、私ね。最近.....おかしいんだ。ゴメンね、と言ってきた陽毬。

何がおかしいのだろうか。


「.....こんな事。思っちゃいけない」

「.....?.....何?」

「わ、私は.....」

「.....?」


貴方を見る度に心臓がドキドキするんだ最近、と言いながら俺を見た。

俺は?を浮かべて数秒考えた。

それから、はぁ!?、と真っ赤になる。

まさかそれって、と思う。


「貴方は何時も素直で私を助けてくれるから」

「.....ひ、陽毬。お前。まさかと思うが.....」

「だから結論は言わない。.....絶対にあってはならない感情だから」

「.....!」


恋人関係の人にこんな事を想っちゃいけない。

だから私はこの想いが去るのを待つ、と言ってくる。

俺は真っ赤になりながら慌てる。

そして陽毬を見ていると。


「これって相談とは言わないね。.....御免なさい」

「.....い、いや」

「.....御免なさい」


泣き始めた陽毬。

俺はその姿を見ながら陽毬の涙をティッシュで拭う。

それから陽毬を見据えた。

嬉しかった、と言いながら。


「.....瞬.....?」

「俺にそう直に伝えてくれて有難うな。陽毬。.....感謝してる」

「.....ゴメンね.....変な感情を抱かせてしまって」

「正直衝撃だが。.....でも大丈夫だ」


そして天井を見上げて2人でボーッとしているとそのうちに。

陽毬が居たせいか安らいだのか寝てしまった。

横の陽毬が寝たかどうか定かではないが。

そのまま寝たのは流石に如何なものかだと思うが。

これはしまった。

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