第4話(超改稿)エロゲマン

流が超高確率で浮気している可能性がある。

99%言えるとは思う。

ツーショット写真を通常は別の男と撮らないと思う。


最終的だが俺は別れる言葉を言おうとした。

翌日になって、だ。

だが寝てしまって朝になってしまった。

言う暇が無かったのだが。


「瞬。朝だよ」

「.....朝か」

「そうだね。起きて。ほらほら学校に行く準備」

「そうだな.....」


朝一で伝えようと思ったらこのザマだしな。

俺は困惑しながらゆっくりと起き上がる。

そして俺は横に立っている流を見た。

流は笑顔で立っている。

俺はその顔に問うた。


「親父達は」

「もう家出たよ。.....後は私達だけだね」

「.....そうか」

「朝ごはんパンだけど。他に何か食べる?」

「じゃあ目玉焼きでも.....」

「了解」


それから目玉焼きを焼く為か台所に戻って行く流。

俺はその姿を見ながら眠気まなこを目覚ませる為に洗面所に向かう。

そして水を顔にぶっかけて準備をしてからそのままリビングに戻ってみる。


そこにトーストと目玉焼きとハムがあった。

俺は流を見る。

何か渡してきた。


「今日のお弁当だよ。はい」

「何時もすまないな」

「うん?どうしたの?今日はかなり遠慮がちだね」

「遠慮がちなのは.....まあちょっと疲れているせいかもな」

「ふーむ?.....じゃあ私が抱きしめてあげよっか?」


その言葉に俺は、そんな気分じゃないな、と答える。

すると流は目をパチクリしてから、そっか、と柔和になった。

それから伏せ目がちになる。

俺は、?、をまた浮かべたが。

流はそのまま顔を上げてこう言う。


「そっか。.....じゃあまた後でだね」


何か複雑そうな顔だが。

俺はその言葉に、ああ、と訳も分からず言いながらトーストを口にしてみる。

そして考える。

別れる言葉は何時告げようか、と。

それから顎に手を添えた。



「よお」

「.....よお。おはようさん。春樹」

「あんだー?お前さん。死んだ様な顔をして」

「俺の顔が死んでいるのは元からだろ」


教室に着いてから俺はそう永山に答えながら苦笑する。

永山春樹(ながやまはるき)。

俺の高校時代からの親友。

笑顔が絶えない感じの明るいそばかすが特徴的な好青年だ。

その姿を見ながら俺は欠伸をする。


「すまんな。あまり寝れなくてな」

「そうなのか。.....まあ悩むよな。俺ら男だしな」

「お前と一緒にすんな。お前は変態だろ。結構エロゲしているだろ」

「エロゲは全ての人に世界平和をもたらすからな!」

「いやおま。18禁だ.....」

「関係無いぜ」


春樹はエロゲマニアだ。

だけど根っからの性格はこんな好青年。

頭を坊主にしているので悟りでも開けそうだが。

思いながら俺はまた苦笑いを浮かべる。

すると陽毬が楽しげな俺達の元にやって来る。


「なになに?何の話をしているの?」

「.....コイツのゲーム内容な。.....またエッチなゲームだ」

「へぇ.....もー。永山くんは変態だね」

「そうっすね。陽毬さん。俺はクズなんで」

「いや。認めんなよお前。マジにドクズか。最低か」

「俺はドクズだから」


舌を出して、てへぺろ、的なウインクする春樹。

ドクズだから、じゃねぇよ。

俺は額に手を添えながら陽毬を見る。

すると陽毬は赤くなりながらも、でもそんなにエロゲが楽しそうなら私もしてみようかな、と言い始めた.....うぉい!!!!?


「おいコラ!?」

「まさに悪魔の価値」

「エヴ◯風にするな!」

「でも瞬も興味.....あるんだよね?」

「おま.....いやあるっちゃあるよ。俺は男だしな。.....でも根っからのコイツの様なクズにはなりたくない」

「オイ。誰がクズだぁん?」

「お前だよ!!!!!お前自身がお前をクズって言ったんだろ!」


全くな!話がややこしくなるからな!

俺は思いながら頭を掻いていると、まあそんな冗談はさておき、と腕を組む春樹。

それから椅子にどかっと腰掛ける。


お前さんよ。付き合っている流ちゃんと何かあったのか、と言ってくる。

ジト目の春樹に物凄いドキッとした。

な、何だ。


「.....何か、とは何だ」

「俺に冗談とか隠し事は通じないぞ。.....俺は様々なエロゲキャラを攻略した。.....クズ中のクズだからな。御心は知っている」

「内容はマジに最低だが言っている内容は真っ当だ」

「ウルセェ。.....とにかく何かあったんだろ?話してみろよ」

「何もなかった、よな?陽毬」

「そ、そうだね」


陽毬は言い辛そうな顔をする。

そして笑顔で、心配してくれて有難う、と春樹に言った陽毬。

俺はその姿に春樹を見る。


春樹は、?、を浮かべて俺を見る。

本当か?、という感じで。

俺はその顔に、ちょっと喧嘩しただけだ、と柔和に告げる。


「.....そうか。しかし喧嘩かー。.....確かにあるもんな。ぶつかる事もな」

「そうだな。人は喧嘩しないと生きていけない部分もある。お前の攻略したエロゲキャラもそうだが」

「だな!俺の好きなキャラは七海たんだ」

「いや。聞いてねぇよ貴様」


お前もしないか?ゆずソ◯ト。マジに純愛がスヴァらしいぞ、と興奮気味にオススメしてくるのだが.....。

コイツの家の中ってどうなっているんだろうな。

エロゲ隠す場所無いだろ。


思いながら俺は顔を見合わせた陽毬と苦笑する。

そしてチャイムが鳴ったので俺達は一時的に解散して席に戻る。

それから2時限目の中休みになった時。

こんな声がした。


「瞬。急にゴメン」

「.....流?」


流がいきなり俺の教室を訪問して来たのだ。

俺はその姿に眉を顰める。

そしてクラスに入って来た。

春樹と陽毬もピクッと反応する。

俺はその顔を真剣に見た。

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