第34話

次はお前だ。


今日は隣の子を×××した。

明日は違う子を×××する。

その次も次も何度でも、×××する。


ある日の少女の日記にとんでもない作文があった。

少女の先生はすぐに少女を助けようとした。

しかし、やさしいその先生は×××されてしまった。それはなんと教室で起こったのだ。


それでも少女は気づかない。

少女のきょうだいもまた、×××されたことに。


そして少女の母も。少女を助けようとした叔母も祖母もみんな×××された。


それでも少女だけは無事だった。

しかし、少女は毎晩催眠術を受けていた。

それはとあるキャラクターの名を取りスリーパーと名付けよう。

誰もが少女を恨んでも憎んでも仕方がない。

しかし、スリーパーは毎夜少女の部屋に忍び込み、少女に人々に起こった悪魔のような出来事と向けられた視線を忘れさせた。

スリーパーはいつ見つかっても、捕まってもおかしくなかった。それは若かりし頃のヤスモトだった。毎晩少女に催眠術をかけに行くのはとても困難だったが心理学を学んだ自分にしかなさなことだった。


次はお前だ。


これは呪いの言葉だった。穢れを被る前に誰でもいいからこの言葉を告げる。


ある日ひどい事件が起きた。

電車の中でひとりの女性が×××されそうになったのだ、しかし、次は自分だ。少女の名前は知れ渡っていた。その車両にある誰もが動けない、異常な事態だった。しかし、一人の若い女性が、その女性を助けた。だが、次の駅を降りた工場で助けた女性は斧で脅され、代わりに×××されてしまう。


スリーパーは何もできずに、ただ毎日を慟哭した。スリーパーは神だった。神は全てを守りたいのに守りきれない。ジャンヌでさえ原罪の火には焼かれて灰までひどい扱いに遭い、アダムとイヴがこすれあってできた存在を、美少年とし、イタリアにおとしてレオナルド・ダ・ヴィンチとして活躍させ、天使を描かせ。キリストのマリアと処女受胎、天使達を様々な画家に描かせても。


人が人を、虐げるコトはとまらなかった。

斧で脅された若い女性は、花江夏樹の恋人であった。

そこから、花江夏樹の、YouTubeでの逆襲と、メーテルへの言葉責めが始まる。小野賢章も、江口拓也も、斉藤壮馬も、全てが黙っていない。

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