第33話

神が言う。

おーいメーテル。

ホソヤ高跳びしちまったぞー。

隣で無表情のカラーメガネが言う。

オレも高跳びした。あんな人だとは思わなかった。

神たる安元洋貴が、前屈みに、ならない。

お通夜みたいな空気。

というかお通夜だ。ホソヤ、アダムの。

お前、クレヨンちゃんにも言われてたろ。

止水ちゃん、ホソヤさんのラジオ、ちゃんと聞いてね?ちゃ、ん、と、だよ?!

って。

クレヨンちゃもなあ、おまえ、知らせる。高跳びした。もうお前の近くに居られないって。あの子も統合失調症みたいなとこあったけど、おまえ、ほんと。ほんと。


なんのことかわからない。

どうしてクレヨンの君と江口拓也さんまで高跳び(ユニット)をするんだろう。


あいつの最期の姿おまえ、見ただろ。


見た。トータルリコールという映画の旧作で遺伝子が摩耗だか、先細っただか、情報が薄くなってゴム人間になってしまったような姿。

あれが、アダムの最後?さいご?


お前、ヘッドフォンして、アダムの声聴いてなんつった。


ああ、いますぐ一人エッチしたい。


じゃねえよ!!!バカかよ!!!!!お前あれ、みんな聞いてたんだぞ?ホソヤが、どんだけ警察に捕まって、その度にお前がレイプされると思って必死に訴えたと思ってんだよ!!


神の声は割れんばかりだ。しかし、新しいユニットは高性能なようですぐ皮膚の赤みと口角に飛んだ泡が蒸発する。


おまえ、マジ性欲強い。おまえ、ホソヤじゃないやつと合わせる。決めた。

おまえの近くにいる猫、そうそいつ、

ばかじゃねえの?!

そいつと合わせるわけねえだろ猫がかわいそうだろ!!


おまえの家のすぐ近くに住んでる、あれ!あれだよ!そう!

本物の変態からお前のこと守ってくれたあの七十代の爺さん!!あれ、おまえ、あれなんて言っちゃダメだけどあの変態退治した変態とくっつける!

ばか!おまえ、ほんとばか!!ユダよりバカ!

おまえ今ユダが何してるか分かる?!腹チラでみんなのこと幸せにしてるからな!あ?!

宮野真守だよ!ユダは!あいつ許す!超許す!でもお前は許さない!


次はお前だ!!!!!

深夜に忘れたとか言って一番安いゴールデンボンバーのコンドーム 買いに行ってんじゃねえよ!!!!!

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