わたしは処女だ
明鏡止水
第1話
わたしは、明鏡止水。三十一歳。処女だ。
処女というのはあれはアレだ。いろいろとでも、肛門のことでもとにかく、男とも女とも誰とも着衣だろうがマッパだろうが挿れる挿れない、スローセックスさえ経験したことのないあれである。
ひどいよね。処女航海や処女作なんて言葉は変換すれば勝手に出てきて大助かりなのに。
童貞航海や童貞作なんて頼もしくも優しくしたくて、童心を大切に持っていて欲しいような響きが処女には全く無い。
すくなくともわたしはそう思う。綿谷りささんの小説なら、新品の傘についてるビニール。あれ。あれが処女だって。取るか取らないかは相手とそこに傘があるかで決まるような。そんな剥がす剥がさないみたいな問題で男女の営みは早すぎて。
言っちゃえば小学生でもできてしまうし、遅くてなんなのかしらん。
人によっては一生物の悩みで秋葉原でいうところの魔法使いになれるくらいにイッショウモノ。それが性行為。あんまりセックスについて語るのもなんだけれど、わたしにはとても怖くてたまらなかったことがある。それは愛する人との初めてが、とかいう薔薇の散るようなものではなく。内部の問題のことなのだ。これはあとあと語ることになる。
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