第7話
大人になったわたしはパラサイトシングルにはなりたくなかった。特等添乗員αの難事件のえいきょうだ。それでいて、今は東村アキコの偽装不倫も好きである。だけれど、わたしにはある問題がある。
乗り物恐怖症なのだ。
わたしはあれから通信制高校へ転編入した。
そこで単位零から四年、わたしはそこで通うことになるが、極限の心身で父の車に乗っていて、さあっと身体がこおばり、ガッチリと固まるような恐怖を感じたのだ。車はよく揺れていて、それが恐ろしかったのか、それとも理由なんてないのか。心療内科の先生に言わせれば不安障害などのときは病気が併発しやすいと聞いた。いよいよ通信制の高校も通えなくなった。
母は優しかった。
父も優しかった。
しかし母はお手伝いとは違う面でわたしを否定し続けた。
父はわたしを退学させようとしたり、家の机を叩きながら学校に行けなくなったわたしに学校の勉強を何一つしていないと怒り。わたしは碌に書き方も知らない履歴書を近所の店の店員に押し付け、アルバイトの意思があることを伝えると、父はよくやった!と言った。滅茶苦茶だった。
毎日寒気と吐き気と寒さが続いて食べられるものもないお金もない状況で、わたしは死にたかった。
それは、うまく心療内科の先生には言えなかった。
死にたい。といえば。
幼少期、のとあるしあわせな、いとおしい、死生観が。わたしの心を半分にして、半分が削れてそこから男女の間のような存在が生まれた。わたしは家族に殺されたわたしと、わたしを導いてくれる理想の男性化した自分と、或人(あると)いう人物を語り合わせて唸りながら壁を叩いて過ごした。
中二病ではなく、そうしないと止水が終われなかった。
幼少期の止水。大切な思いは、家族がまず大好きなことだった。
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