第42話

自分が入ったのは男性だけがいる病棟と、男女ともいる病棟。どちらもだ。男性だけという病棟に入る事に、自分は抵抗があった。なぜか。兄弟が、おれは天国に行きますと言いだしたからだ。

天国。

どの天国だ。

ソファでゆらゆらと、ゆさゆさと揺れながら。

おれは天国へ行きます。


自分は頭を抱え。あああぁ、とうめいた。

兄弟も統合失調症だった。

自分は、自分の秘密もあいつらもこいつのも全部、墓場まで持って行く気だ。

細谷佳正。

あなたはわたしを救ってくれた。

銭湯に行く時に足首にタグをつける癖にキュンとさせられ、看護師の女性に告白した話に落胆し、それから、それから。男性のファンの事を、天才軍師で大事にしてくれた。


今、文豪ストレイドッグスの第4期がdアニメやNetflixなどで放送中だ。見たいものが、終わったら次々と出てくる。当人の嗜好に合わせるように。マイリストにタッチしておけば尚更だ。

しかし、今の自分はそれに惑わされたりはしない。

ただ、clearな頭で作品を見られる。


自分は病棟で出会った、元高級美容室受付嬢と付き合うこととなる。彼女は十数回、入退院を繰り返している。


外に出て同居を始めた時、一番最初に教えられたのは生理だった。


これからパートナーとして一緒に過ごして行くけど、苛ついたり、また病気になったらごめん。薬で今はちょっと、来てないけど。


自分は聞いた。毎月来るんだよね。それ以外よく知らない。


彼女は、


その言葉を聞いて、二度と自分は統合失調症を再発させないかもしれない。

と、直感したそうだ。投薬さえ続けていればこの人と暮らしていける。


それから自分は、まず無理だった。

彼女の処方箋がかわり、出される薬が変わり、生理が戻ってきて。


自分はまず全体の方見て悲鳴をあげて飛び跳ねた。

無理無理無理無理。


女性諸君。すみません。


再挑戦は次の月。

「始めはこれだから。」

「え。」

生理について理解を深めようと学習の意欲を自分は出した。仕組みも、寒気が襲った現物も、一回拝見した。 

「なんだろう。」

そんな言葉が出た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る