第13話

短く書きましょう。

おもいびと、誰でもなんでも想像してもしなくても。

まずはそれであそこがじゅわりと生理的に、心理的に濡れるともいいましょうか。それを待ちます。部屋のドア。カーテン。声。階下の様子。みなきをつけなくてはなりません。一気にほぐして手ごと動かせば、振動がごっご、ごっごと下に伝わって。階下の者に聞いちゃったんだけどと言われるのですから。

服の上から触ったら準備がある方ならシチュエーションCDで擬似体験して指やオモチャを使うのもありなのですが。

ここは一つ、覚え始めた乙女のやり方で。

いやらしいものを見ながらでもそうでなくてもかまいません。いよいよ下着の上からそろりそろりと撫でる時です。下着の生地によって、あるいはデザインによって、ツルツルならつるり、と愛液が流れ出てくれますし、ちょっと厚めの、織物シートの貼りやすい生地ならじとっと湿って、少し指先にむわりとした蒸気を感じます。好きなだけ擦って押して、小径もう知っていて入りそうならまずは、中指で陰部。じゅくじゅくとした無花果のような部分をゆっくり優しく短い爪と愛らしい指で滑りましょう。

小径がわからない?あまり乙女に教えたくないのですが、性行をするにあたって、男の人のが入るための道があります。それは尿が出る場所と、便が出る穴のあいだに、気づけば。

ああその前に、周りを守ってくれているひだ、ばらばらとしたところも、愛してあげると良いでしょう。もう少し大人になると、好きな人の口で陰部の真ん中を顔をつけてじゅっと吸ってもらう快楽に気付きます。もう良いでしょうか。

小径のありかだけ。中指が良いでしょう。何もそれをかたくしろとはもうしません。ただ、愛液が溢れ出る場所へ。ほら、人差し指と薬指も。わかったでしょう。あとは、一本だけ感じたい場所にうんと奥へ進めるだけです。

これを好きな人に言葉で、からだで、伝えてもらいなさい。極楽浄土とは。性欲とは。セックスとは。自慰行為とは。好きな人の前でしか、見せてはいけないのです。

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