第17話

二十八歳の夏。わたしはとてもホワイトな会社を、たかが厚顔無恥美女二十二歳の三連撃で辞めてしまった。辞める手前はもう休日も何もかも、お風呂にも向かえなければトイレにも立てない。


しかし、昔の病気は治り寒さも緊張も不安障害も感じない、までにはなっていたので、ただのうつ患者、それを隠して入社したのだ。だっていうのに。


この会社に入る前、二箇所目アルバイト先でもう限界だ、こんな制約もない代わりに惰性にも慣れてしまった場所で仕事をするのは、そう、逆に鬱になる!あたまの中が。なりたいものになれないわたしが叫んでいる。その叫びはやがてただの怨嗟に似た呟きとなって周囲と自身についていつまでも!

うるさい。

売り場でわたしはつぶやいた。品出しをしながら。


うるさい。


すると反対側の売り場で静かな親子連れがこれまた静かに、足早に立ち去った。


限界だった。偽ギャル化からは、往来の真面目な性格のおかげで周囲に理解がもらえ、徐々にただのフリーターの、病気でレールを外れてしまったお姉さん、で通せてきた。そういうことにしておこう。

うまく言おうとは思わない。ただ、この二箇所目の

職場が憎くなったのだ。

一箇所目はただ暴君を(女だったが)を止められない自分に鬱がでてしまった。医者も合わなかった。


そしてわたしは、ガチで三年寝太郎をすることになる。

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