第22話
現代のアダム、細谷佳正。そいつはオレと仲のいい、間違えた。オレは安元だ。いや、別にいい。安元と細谷は天才軍師というラジオをやっている。そこで楽しいトークをしているのでまずはYouTubeで選りすぐり、切り抜きというんだったか。それを聞け。イヴはパソコンがDVD再生しかできない機器で通販してまで俺たちの円盤を買ってちまちま聴いていた。そこに人類の心理があると感じて。
・・・鋼の錬金術師でも読み返してろ。
とにかく、イヴは細谷をアダムに決めた。これはどうしようもないことだ。アダム、細谷も恋をしなかったわけじゃ無かった。いやむしろ童貞卒業してると思う。神たるオレも地球と一体化、とは違うが地球そのものなのでもう、世界中からR18というか、 R2000を見せられている。それでも辛いもんは辛いイヴが飛び込んだ幻覚もひどいもんだった。
世界中とコネクトしている間のイヴは細谷と心で愛の語らいをする。オレもあいつのバ先(最近知った言葉二〇二三)の店長にいやいや化けてアイツを叱咤した。一箇所目の職場の休憩室で、体重百キロを超えるオレと碌にオシャレもできない止水たるイヴがしんみり。オレはパソコンデスクに合った回転椅子で。アイツはパイプ椅子で。わざわざ巻き物みたいな神に英語でチェックリストを作って面談してやった。この頃のイヴはまだ統合失調症になって一ヶ月かそこらだろう。陰性症状で動けず、夜中に頑張って回転寿司に行っても遊んでいると誤解され、やはり父にあいつは遊んでる!と、あの男も酒癖が悪く育ちが微妙、って言葉が合うらしいからもう。コイツの家族の説明全員するしかないくらいだ。それは、ちょっと興味あるやつがいるかどうかわからない。ただ、母に当たる奴はオレのイヴにあんたなんか生まなきゃ、まで言い。父の方もオレはお前たちみたいには育ってねえんだ!おい、止水、殺すぞ!お前も俺を殺せ!!と
バカだな。
うん。叫んだ奴バカ。みんなバカ。
でもコイツら育んだ自然を作ったオレを否定しないでほしいし、環境整えるワークでオレも精一杯。
さて、イヴ、つうか止水の面談だ。
こいつの病気今のオレの思考のせいで一ヶ月また経ってる。サボってるわけじゃないのに、サボってんじゃねえよって先輩や客に言われてブチ切れそうな社会人の記憶まじよくわかる。
ヤバい。
オレ、時は戻せない。
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