第3話

到着したところは、キャバクラ?


「お前はここで働け」


え!?俺が…!?

車から降りて外観を見る。大人の世界だ。


「嬉しい…こんなとこ入ったことない!」


隼人すごいよ。逮捕歴でどこも雇ってくれないって思ってたのに。こんなキラキラしたとこで働けるなんて!すごい知り合いだなぁ。


「いや、雪見ゆきみ。勘違いすんなよ?お前借金返すために働かされんだぞ?けっこうきついかもしんねーよ?」


「いやぁ、ここは商売繁盛してますね。人もいっぱいいるじゃないですか」


「は?」


あれ。なんだか空気が悪い。


「雪見、まだ営業時間じゃねーよ。誰もいねーだろ」


「え、だって入り口に…」


あ、これは人じゃなかった。


「間違えました」


「いや、お前大丈夫かよ…」


「とりあえずてめーは、金返せ」


「はい!…ところで金ってなんですか?」


「いや、借金あるだろが」


「え、俺が…返すんですか?捕まえたのに?」


「いや、借金したやつはまだ捕まってないからな。勝手に話し作るな」


嘘だー。俺はやっぱり騙されたみたいだ。働いた金は俺の金にならないってことじゃん!


「こいつと一緒に住んで必ず返せ。いいな」


「え…」


隼人は監視なの?


「雪見、返事しろよ」


「はい」


せっかく喜んだのに、再び突き落とされた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る