第12話
慌てて荷物まとめて、着替えてからタクシーに乗り込む。
どうやらわりかし近くの寺だった。
これやっぱり夢の寺と同じ。
「雪見くんは、ここに来たことがあるのかな?」
「いえ」
「知ってそうな顔をしていたね」
「いえ、夢で」
あー。しまった。
「なるほど。今日は寝なさい」
は?わからないけど、タクシーを降りて部屋に案内され、そのまま寝ろと言われた。
翌日目が覚めて、寺をうろうろしていた。本当に夢の寺と同じだ。
「やぁ、雪見くん。おはよう」
「あ、天野様…。おはようございます…」
「住職と呼んでくれ。もうすぐ昼になるなぁ。風呂はそっちにあるから好きに使いなさい。着替えも置いてある」
至れり尽くせりだ。着替えの服は、甚平みたいなやつだ。風呂入ってうろうろしていたら、住職がまたいた。
「私の部屋で飯でも食べよう」
「ありがとうございます」
そのご飯は質素に見えるのに、なんか豪華。
「刑務所よりはいいかい?」
「…え」
ばらされてる!いやそんな暇ないよな。
「気にせず食べなさい」
わかんねー
お坊さんはそういうの調べちゃうのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。