第11話

バックルームで隼人を捕まえて事情を聞く。


「お得意さんの養子になってもいいもの?」


「…いいよ。先輩に確認したら、兄貴に連絡いってオッケーもらった。雪見は親に捨てられたって、本当なんだな。あの天野様、寺の住職だから、お前の面倒見てくれるって言ってたよな」


「そんなこと話した?」


「いや、お前黙ってたし。聞いてないのかよ。いいんですか?ってもっとすっと言えや」


「言ったし」


「おい、さぼってんじゃねーぞ」


わー、先輩に見つかった!仕事に戻ろう。


「お前、お姉ちゃんと付き合えると思って入ったのか?あ?」


「いえ…」


謎のクレーム。


「この子借金まみれなんですってー」


「はーかわいそうなガキだ」


天野様にも聞こえただろう借金まみれ。こんなんでももらってくれるかな?


「せいぜい働け」


「きっつーいこと言わないの」


まだまだ対応がわからない。そういえば、人間じゃない人は外に出て行ったかも?


「雪見くん、帰ろうか」


いつのまにか天野様が近くに。気がつかなかった。


「え、まだ…終業ではないです」


「タクシーで帰ろう」


「えっと…あー隼人、帰ろうって言われたんだけど」


「早く行けよ、なにしてんだ」


えー

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