第34話

「私はね、美しい女を寺に置きたいんだがね。なかなか難しくてね」


「へぇ、住職でも難しいことあるんですね」


「雪見のほうが先にいい女を連れてくる予感がある」


「それってどのくらいかかりますか?」


「さて。しかし、女がいると、力がいつもより倍増した気がしたものだ」


「へぇ。それはすごいです。ところで悠星さんは女なんていなさそうですけど、どうなんですか?」


「さて。息子は気難しい」


「確かに。全然教えてくれません」


「そうかそうか」


住職とただうろうろして帰ってきた。しかしながら、この寺にはテレビも、雑誌とかもないし。女の子もいないし。それが決まり?


翌日、隼人に相談した。


「住職に女を作れって言われた」


「はー?お前が跡取りじゃないわけ?」


「どういうこと?」


「つまり、お前の息子を跡取りにするんだよ」


「え?うーん?」


「子供作ったら、お前なんか捨てるつもりだよ」


「えー?」


「騙されてんだよ。うわー、雪見どうすんの?見合いさせられる?」


「いや?そんなことするか?」

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