第33話

「心配することはない」


「それで、キャバクラに毎日行ってるのが仕事になってますけど、いいんですか?」


「あぁ。そうだな。勘違いしてる」


「ちゃんと説明したほうが…いいですか?」


「必要ない」


「でも、俺は寺の仕事あんまりできてないです」


「構わない。彼らより雪見は優れているよ。もっと自信を持つとより能力は強くなる」


「自信を持つにはどうしたら?」


「それは、女だ」


「え?」


「好きな女を作りなさい」


「…どうやって?」


「気に入った女がいることで、より自信をつけられる、難しいことではない」


「いないです」


「雪見は顔もいいし若いからすぐ女ができるだろうな」


「え、それが見えたんですか!?」


「いや?勘だ」


…なんだ。


「私はね、キャバクラのいい女と付き合っていたんだが、他の寺の娘と無理矢理結婚させられたんだ。それはもう、ブサイクで品もなくて。能力だけはあるからなんとか子供を作れということだったんだ。だか、そんな女願い下げだからな。悠星はキャバクラの女の子供なんだよ」


「…え。奥様は今はどっちの人ですか?」


「どっちもいないんだよ。悠星だけ引き取って、キャバクラの女は地方へ。寺の娘は自分の寺に帰ったよ」

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