第17話

深夜に公園へ。

いつも歩いている反対側で、入ったことはないけど、外観は知ってるし、夢で何度も見た。だから、入ってみてベンチの位置もわかった。


「あれ…人ですか?」


住職も悠星さんも公園に来ていて、一緒に見てくれるそうだ。遠くからだけど、指差してみた。


「あれは、恐らくホームレスだ」


「悠星、それだけか?」


「あぁ。特に変わったところはない」


「雪見にはなにが見える?」


「なにか…よくわかりませんが、あまりよくないものに見えます」


「その通り。彼の負の感情により、増幅しているようだ。悠星はあまり強くないものは見えない」


「雪見、そんなはっきり見えてるんだな」


「いや、自信ないです…」


「じゃあ悠星、払え」


「わかった。…あの、すみません。そこの寺の者ですが」


なんか、駆け寄って行って話してる。俺には顔もよくわからないけど、起きてたのかな?

そうしているうちに、なんやかんや言い出す悠星さん。


ぎゃー!


っと声がしたのでもう一度見ると、ベンチはおじさんだけになってる。

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