第26話
「しょうがねーな。店の近くで売ってたぞ?」
ぱっと隼人はバックルームへ消えた。なに?
「でもこれ女子高生なの?若そうに見えないけど。雪見はこういうの好き?チラリズムみたいなー?」
「いや…」
隼人は写真が欲しいわけじゃない。
客には写真はいらないと言い、そのまま仕事に戻る。相変わらず罵られるけど、いつものように隼人が謝りに来ない。どこ行ったんだろ?
走って、彼女を探す。
いない、どこにいる?
「これ君なの?」
「いくらだ?」
あれは…
「おい!そこでなにしてんだよ」
「は?誰あんた」
素っ気なく言われた。
「なんだクソガキ」
知らない男たちもいる。
「…隼人だよ」
「は?まじで誰〜?知らない」
う、そ…だ。
なんのために、彼女のために捕まった?全てが意味がない。
気がついたら逃げ出していた。家まで走って帰った。彼女と確かに付き合ってた。一緒に散歩して話して、遊ぶお金を稼いだ。
でも、俺のことなんて覚えてない。彼女にとって俺は、金を稼ぐどうでもいいやつ。その証拠に、通帳の金は全てなくなっていた。
わかってたのに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。