第8話

入り口にある階段を掃除してると、昨日も見た人がいた。あれは人ではない。


はぁ、無視しよう。ここは、なんか入り口に人ではない人が多いから嫌になる。なんで俺が外掃除なんだよ。隼人は、なんの権限があって室内にいるんだか。


「おい、雪見!終わったらさっさと戻れ」


「あー、うん」


これから、また客に怒られそうだなぁ。


「いらっしゃいませ。女の子誰にしますか?」


「お前、新人か?なめた顔してやがる」


またこれか。別になめてないのに。


「新人で昨日入りました。よろしくお願いします」


「はぁ?なにがよろしくだ。おい、いつもの子を呼べ!」


いつもの…子?誰?


「雪見くん、私がいつもの子だよ。さーお客様行きましょう」


すぐにフォローが。ここの女の子はしっかり者なんだなぁ。みんな俺よりも年上だろうし。助けてもらった。


「おい!なんだその態度は!このガキと仲良いいのか?ふざけるな」


客は女の子の手を払い除けた。


「違います〜。この子借金まみれなんですって」


「はぁー?お前ギャンブルでもしてるのか?」


「親から捨てられたかわいそうな子なのよ。さ、行きましょ」


「は。そんな顔してるから親に捨てられるんだ」


ちょっと違うけど、合ってはいる。

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