公園デビュー

第36話

「雪見は、だいぶ集中力がついたから、一人で公園ランニングのメニューに変更」


悠星さんがそんなこと言い出した。


「え…瞑想なし?」


「そー。個人でもうできるだろって親父が」


「公園って…ホームレスのいたあの?」


「おーそうそう。全力で走ったら休憩して、って感じて無になれとのこと」


「またああいうのがいたら…俺がなんとかしないといけませんか?」


「まぁ、できればやってみろ。ただし、夜に活性化するから、やるなら夜」


「わかりました。途中ご飯食べてもいいですか?」


「お弁当にしてもらえ」


昼ごはんも外で食べて、ほぼ寺にいないことに。寺の息子になったのに不思議だ。


「一人で不安です」


「夢に出てないなら不安じゃないだろ」


「いや、前の夢では襲われたんです!」


「まぁ、雪見なら大丈夫」


「住職が怖いものは払うって言ってたのに」


「それは払うだろうけど、雪見もできるだろ?」


「えー、悠星さんも一緒に行きましょうよ」


「俺は安易に外に出られないんだって言ったじゃん。昼間は無理だから」

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