第20話

翌日、問いただす。


「悠星さん、友達に悠星さんのこと話そうとしたら話せませんでした」


「あー、ごめん。俺がやった」


え!?そんな簡単にできるんだなぁ。


「死んだことにしてるから、ペラペラ話しそうなお前には口を閉じてもらう」


「…なんでそんなことに?」


「さぁなぁ。それよかお前、高校も行ってないのか?」


「なんでそれを?」


「親父に聞いた」


「…中退になってると思います」


「普通に漢字も読めないし。通信で勉強するか?」


「…お金が」


「借金はあといくらなんだ」


「さぁ」


「いや、ちゃんと聞こうよ」


「住職が知ってるかもしれないです」


「知らないだろ。お前が知らないし」


「俺の情報どうやって知ってるんですか?店の人から聞き出したんですか?」


「…はぁ?なんも知らなさすぎ。あのなぁ、親父は物を触ってサイコメトリする。身につけてるものがいいそうだ」


「なんですかそれ」


「お前の情報は、物の記憶から読み取られてる。なにか触られたりしたんだろ?」


「…そういえば、出所してすぐもらった靴を拭かれました」


「どういう状況なのか不明すぎるけど、まーそれだな」

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