第19話

「雪見、寺の修行ってなんなんだよ」


隼人は気にしてくれてる。


「それが、筋トレとか、精神統一とか?無の境地になれとか、なんかよくわからない」


わからないけど、毎日やってる。悠星さんも住職からするとあまちゃんらしい。


「お前、まさか…跡取りにされるのか?あの人息子いないだろうし」


…え、いるのに。

あれ…なんで…どうしてだ。しゃべれない。


「雪見?大丈夫か?」


「あー」


「なんだよふざけてんのか?」


しゃべれた。悠星さんのことをしゃべれないんだ…


そういや、跡取りの話。最初悠星さんと会った時言われたような…?


「跡取りになるかもしれないなぁ…」


「なのに借金は返してくれないのな。女に使う方がいいってやつだろ」


わかんないなぁ。なんで悠星さんの話ができないんだろう?言葉が発せないなんて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る