第42話

「雪見。スコップ!」


悠星さんが走ってこちらにやってきた。スコップ?


「あの人は?同じ寺の方?」


「あ、はい…」


なんでスコップ?


「雪見、どのあたり?なにか感じるか?」


「え…俺の後ろあたり?」


「なるほど?」


悠星さんは、スコップを地面に刺す。


「お、おい!なんだこの坊主!何する気だ!」


「質問します。あなたは、もう1人の方の行方を知っていますか?」


威圧的な悠星さん。仕事モードのようだ。


「知らんと言った!私の庭を荒らすな」


「庭。あなたは、最近住んだのではない。もう1人の方より長いはず。なのに嘘をついていた。人はなぜ嘘をつく?」


「な、なんなんだ坊主!説教か」


「助けてという声を聞いたことがありますよね」


「な…なんなんだ!」


「この下にいるんだろう?」


「…え、まさか、そんな!」


警察は悲鳴を上げた。

俺も、そんな気配を感じた。


「雪見、拘束して」


「はい!」


後ろ手に捕まえる。


「なにしやがる!」


悠星さんがどんどん掘る。

…髪の毛が、地面から見えた。


「すぐに応援を」


「…は、はい!」


悠星さんは警察に指示してる。拘束された人は暴れている。


「ここにいたら、呪いたくもないのに呪ってしまう。私が供養してやる。だから罪を償いなさい」


「くそ坊主!偽善者ぶるな!」


「なぜ殺した?」


「違う!」


「嘘をついてる。俺に話しても別に刑罰に関係はない。話せ」


「くそ!…病んでいたあいつがあのまま死んでいくと思ったら、元気になりやがって!仕事やりはじめやがって!」


「それで?妬ましいからか?金欲しさにか?」


「お前になにがわかる!」

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