第15話

「あ、あのー。俺そんな大そうなことできるかわかりません」


「できるって。やれよ」


「悠星、脅すな」


「できなかったら、逮捕ですか?」


「そんなわけないから。親父が見つけたし、できるんだろーよ」


「俺でも…夜は仕事しないと」


「なぁに、この仕事は毎日ではない。私の弟子になるからには修行をしてもらうがな」


「弟子?あの、それってキャバクラの女の子の口説きかたですか?」


「雪見くん、なんでそうなるわけ。寺の修行だし」


「あ、そうなんですね」


「雪見くん勘違い多いな」


「すみません」


勘違いで信じやすい性格のようだ。


「借金の返済にも使えるかもしれない能力があるかもしれないから、まぁ頑張ってみなよ」


「え!それって…お金を手から出すんですか?」


「…それはないから。親父、指導ちゃんとしろよ」


「なぁに。感覚でできるだろう。寺の修行は昼間に毎日行う」


「は、はい…」


「悠星よりも使える男になってくれよ」


「いやプレッシャーかけんなよ」


「あの、お金を出せるようになれば合格ですか?」


「なわけねーよ。親父まじで、なんとかしろ」


兄弟に勝手にされた雪見くんは、長髪でピアスしてるんですけども。キャバクラのボーイだから丸坊主にできないだろうな。親父のキャバクラ通いのついでに拾われた雪見くん。ちょっと不安だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る