2章。 クズと親友
穏やかで充実した日々を挟もう
高校生になってから早くも2ヶ月が経った。
遊嵐学園は基本は中間・期末テストのみで、後はクラス毎に担任の判断でテストが行われるが、S組だけは月一でテストがある。
ちなみに先月のテストだけは全クラス共通だ。
そして、そろそろ次のテストが近づいて来た。
1日の授業が終わり、今日は撮影もなく、美愛も彩花もこれないため1人で家でゆっくりしてようと思った折りに携帯に連絡が入った。
「佐藤君、もうすぐテストだから勉強しすぎちゃって...よかったら今日お願いできないかしら?」
「あぁ、いいよ。先に帰ってるから、着いたらまた連絡してくれ」
「ありがとう」
紗雪との連絡のやり取りだ。
あれ以来紗雪とはセフレになったが、
目立つのを避けるため学校ではあまり直接話さないようにしている。
「いらっしゃい」
「お邪魔するわね」
そう言って慣れたように俺の家に上がり込む紗雪。
まだ関係を持ってから1ヶ月程度だが、すっかり俺とのセックスにハマってしまったようで、週に1回は俺の家にきているため今日で4回目になるかな。
「お茶でいいか?」
「優!」
紗雪をリビングに招き入れ、お茶を用意しようとしたところで紗雪が抱きついてきて、その勢いのままキスをし、舌を入れて来た。
「むぐっ...。紗雪は本当に我慢ができないな」
「ぷはぁっ。...あなたのせいよ。私が我慢できないのも全部あなたのせい。だから仕方ないの」
そう言って紗雪は俺の前に膝を突き、すっかり慣れた手つきで俺のものを取り出しアレし出した。
本当、勉強熱心な子は恐ろしいわ...
初体験からまだそこまで回数を重ねていないのに、既に別れる前の美愛より数段上のレベルにいる。
なんなら積極性だけなら今の美愛や彩花よりも断然上だ。
まぁ俺から言わせて貰えばまだまだだが、この分だと卒業する頃には俺も余裕ではいられないかもな。将来が楽しみだ。
その後は攻守交代、俺が紗雪を満足させ2人でシャワーを浴びて、今度こそお茶を入れて二人で一息つくことにする。
「本当、私、佐藤君に変えられてしまったわ」
「いやいや。紗雪の元々秘めていた性格だろう」
「佐藤君がいなかったら私、こんなはしたなくなってないもの」
「ははは...。しかし、未だにやってる最中以外は苗字呼びなんだな」
「もう、すぐ笑って誤魔化して。
...し、仕方ないでしょ...恥ずかしいのよ」
いやいや、名前で呼ぶより100倍恥ずかしいことをしといて、よく言うよ...
「はいはい。で、最近勉強はどうなんだ?」
「そうね...まだテストで試せてないから何とも言えないけれど、あなたとセックスするようになってからは凄く捗るようになったわ。とても感謝してる」
「そうか、それはよかった」
どうやらセックスでストレス発散は紗雪にとって最適解だったらしい。
別にセックスで頭は良くならないし、むしろ行為中の紗雪の知能は低下してる気もするが...。
いいリフレッシュになってるならよかった。
やっぱりセックスって素晴らしいな。
もっと広めて行きたい所存だ。
Let'sセックス。
しかし、一つだけ誤算があったとすれば....
「ところで紗雪...お前本当に俺のこと好きになってないよな?」
「な!?な、な、な、なってないわよ!ただのストレス発散のパートナーよ!ただ私はあなたみたいに節操なしじゃないから、相手はあなた一人で充分なのよ!」
いや、そういうことじゃないんだが...
紗雪は行為中ずっと好き好きと言ってくる。
そして嘘みたいな話だがそれは無意識らしく、本人に聞いても本当に自覚がないらしい。
まぁ、俺が付き合う気がないことは理解してくれているから大丈夫か...。多分。
大丈夫、だよな?
「あら、もうこんな時間ね」
「ん?まだ18時だぞ?」
「もう18時よ。最後にもう一回相手してもらわなきゃいけないんだから急いでくれない?」
「へいへい...」
紗雪はずっと勉強ばかりしていた反動か覚えたての猿のように俺を求めてくる。
まぁこれだけの美人に求められるのに悪い気はしないから構わないが。
ただ俺はどちらかと言うと攻める方が好きなのだが、紗雪は貪り食ってくるんだよな。
俺の体でセックスの練習をしてるのかとすら思えてくる。
無事に行為を終え、もう遅いので紗雪を家の近くまで送ってあげて1日が終わった。
明日は金曜日。
撮影後、夜は美愛が家に泊まりにくる予定だ。
そして土曜日は撮影後、
彩花の家に泊まりに行く約束をしている。
学校に仕事に遊びに、セックスに。
毎日が忙しいが俺は充実した高校生活を送っていた。
そして週明けの月曜日、いつものように授業を受け、昼休みに入った時にそいつは俺を訪ねて来た。
「初めまして、佐藤君。
僕の名前は春日井 朝日 (かすがい あさひ)
境彩花先輩のことで少し、話したいことがあるんだ」
身長は170cm程。多少の幼さが残る顔立ちだが、中々のイケメンだ。
そして正真正銘初めましてのその男。
だが俺はこの男を知っていた。
知っていたんだ。
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