遂に終わりを迎える。そして深まる絆




「どうしたの、美愛ちゃん」


「うん、優くん、その、あのね...」


「うん?」


「その....優くんは優しくてかっこよくて、足も早くて...私ね、優くんのことが大好きなの....!」



顔を真っ赤にした幼馴染の女の子にそう告白されてしまった。

この子は山梨 美愛 (やまなし みあ)

幼稚園から一緒で、両親の学生時代からの友人夫婦の娘であり、正直めちゃくちゃ可愛い、俺の幼馴染だ。本当に佐藤家と山梨家は漫画みたいな関係だとつくづく思う。



「うぇぇっ!?大好きって、その、友達としてとかじゃなくて、その、パパやママ達みたいな..ってこと?」


「はい...うぅぅ」



俺は正直言って子供を舐めていた。

彼女いない歴=年齢+22であり、16歳までガチガチに親に管理されていた前世の経験で、そういうのに興味を持つのは高校生からだと勝手に決めつけていたのもあるし、そもそも前世は荒んでいたので彼女というものに拒否反応を持っていたのだが、

今世は両親が理想のカップルだ。

正直憧れもあった。

いつか彼女を作ろうなんて、前向きにも考えていた。だけどそれにしたって早すぎる。

え?早すぎるよね?



「その...僕も美愛ちゃんのことは大好きだけど....正直そういうのってよくわかんな...え!?うええ!?うそうそ!大好き!僕も大好きだよ!本当!付き合いたいなー!..なんて?」



「本当!?嬉しい!これからよろしくね!」



正直まだ早すぎると思って先延ばしにしようとしたが、言葉の途中で泣きそうになってしまった美愛ちゃんの顔を見て焦ってしまい付き合ってしまった。



前世では数多の女の泣き顔を見てもなんとも思わなかったのに、環境が変わるだけでこうなってしまうんだと、つい遠い目をしてしまいながら抱きついてきた美愛ちゃんを受け止めた。



こうして長きに渡る俺の彼女いない歴は終わりを告げた。



やはり小学4年生で恋人と言うのは早すぎるみたいで、お互いの両親には大層驚かれたが祝福してもらえた。

さすがに小学生で関係を進めるのは自重するようにしたが、これくらいはいいかなと佐藤優としてのファーストキスを行なってみたが、想像以上に照れられてこちらまで気恥ずかしくなってしまった。

今更キスくらいでこの俺が照れるなんて、本当に変われたな、と実感した。



そしてあっという間に時が経ち。



俺は中学2年生になっていた。



美愛とは流されるがまま付き合ったが、なんだかんだで4年間もの時間が経っていた。



俺も美愛も両親が美男美女のおかげで

かなりのイケメンと美人に成長していて、中学ベスト幼馴染カップルの称号を欲しいがままにしていた。



そういえば中学に上がった時に両親から携帯を買い与えられ、俺は怖いものみたさで自分の前世、嵐を検索してみたのだが1件もヒットしなかった。その他知っている名前をいくつか検索してみたが誰一人おらず、以前からテレビを見ていて知り合いが1人もいないことで薄々気がついていたが、どうやらこの世界は俺の前世とはかなり近いが別の世界だと言うことに気づいた。



まぁ死んで赤ん坊に転生したことが既に意味わからないのでそういうもんかと、あっさり割り切ったんだけどな。




そして夏休み真っ只中の今。

俺達はついに大人の階段を登ろうとしていた。



「いくよ...」


「うん...きて...」




流石に小学生の時はキス、ハグ以上のことはせず中学生になってからもキスが大人になったくらいで、かなり健全な付き合いをしていた俺達だったけれど、中学2年生になる頃には美愛の発育が育ちに育ち、思春期真っ只中の男にこれ以上の自制は無理だった。



そして俺たちは一つになり、無事に童貞と処女を捨てるに至った。




...結論から言おう。

前世で数え切れない程セックスをしてきた俺だったが、正真正銘の愛する彼女とのセックスは初めてだった。



正直言って、最高なんて言葉じゃ言い表せない程の充実感を得てしまった。

元々前世でも唯一満たされる行為だったが、

今世の暖かい家庭で健やかに育ち幼馴染の彼女と青春を謳歌していて既に満たされている[優]としてするセックスは物が違った。



「大丈夫だった?」


「うん...最初は痛かったけどね、途中からはなんか凄かった。優君に触られるのもすっごい恥ずかしかったけど気持ちかったよ。えへへ、幸せ」


「よかった。俺も幸せだよ」


「大好きー!...でも優君なんか慣れてなかった...?私初めてだからよくわかんないけど、すっごいリードされた気がした...」


そう言って美愛がジト目を向けてきた。



「いっ...いや....。うっ...すいません、白状します。一人でする時にめっちゃイメトレしてました」


「あははっ!もー!えっちー!!」



あ、危なかった。

そもそも最後にしたのが体感で14年前だ。

かなりブランクがあったし優としてするのは正真正銘初めてで最初はちょっと緊張していたのが功をなしたか、なんとか誤魔化すことができた。



そして無事に心も身体も繋がった俺達の絆は更に深まり、周囲に砂糖を撒き散らすバカップルとして日々を過ごしていた。



美愛も初体験を済ました影響かどんどん綺麗になっていて、本当に自慢の彼女だ。



....両親から生暖かい目で見られるようになったのも慣れた。



ラブホなんか勿論行けないのでお互いの実家で行為に至るのだが、美愛、声でかいんだよなー...

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