7歳 (魔法の説明・後編有り)(余剰エネルギーと異能の成り立ちについて)

 2017年 3月〇日

 僕は今日、7歳の誕生日を迎えた。

 学校も後2週間程で終わり、4月からは晴れて2年生となる。

 今までは1年生と一番下の学年だったが、2年生という訳でそうじゃなくなる。新しく後輩が出来る。

 何ともいえない感覚に襲われつつも、いってもまだ2年生で7歳なので、さして何かあるのか?という話になれば、特にないかなって感じだ。


 今、思い返してみればこの1年間は割と充実した1年であったと思う。

 異能【影分身】を授かり、【最強】へと至る為に努力を行い、実際に1年前と比べると比較にならないレベルで強くなった。

 今の僕が出せる影分身の数は最大で20であり、魔法もお風呂の浴槽が全て埋まるレベルで使えるようになった。

 1年前の比べれば魔力は250倍も上昇しているということだ。

 いまだにアイテムボックスは使えないけど。

 僕はアイテムボックスを使えるようになるのは一体いつになるのやらやら。知らんけど。

 まあ、それはいい、いつか使えるようになると思う。それまで必死に努力をしようではないか。


 学校生活の方も割と上手くいっていると思う。

 友達もいるし、休日はよく遊んでるし。

 学校の成績も読書のおかげか、大分良いし、といってもまだ小学生1年生、そこまで難しいことはしていないけど。

 ただまあ、ライトノベルやらWEB小説やらを読んでいる影響か下ネタが多いと先生に定期的に怒られる。

 それはもちろん下ネタは好きさ。僕の友達も大体皆下ネタが好きさ。小学生1年生なんてそんなもんだろ(偏見)

 ただ、先生曰く僕の下ネタは小学1年生の下ネタではないらしい、でも知ってるんだもん。知ってたらつい出っちゃうって。ほんでもってそれを友達に教えたのが不味かった。

 普通にめちゃくちゃ怒られた。

 因みに何でそんな下ネタ知ってるのかって話になった時に読書と堂々と答えてやった。

 先生含めお父さんもお母さんも僕の周りの大人はほぼ全員、僕がよく本を読んでいることは知っているので、すんなりと納得された。

 かといって本を読むのを禁止なんてのはおかしな話だし。

 先生から友達に過度な下ネタを教えるのを禁止されました。


 以上。


 まあ、何だかんだで【最強】に近づいているし、この調子で頑張ってもっともっと強くなっていきますよ。






―――――――――――――――

 

 この世界の魔力についての更なる補足説明

 

 前回の説明だけでは少し不十分だったので、今回で更に詳しくこの世界の魔力、異能について、そして何故突然人類のほぼ全員が魔法を使えるようになったのかについて話していこうと思います。


 まず、前回の説明にて、余剰生命エネルギーと余剰精神エネルギーの話をしました。

 そしてこの余剰生命エネルギーと余剰精神エネルギーは両方とも、余剰分として人間の魂の器に貯めることの出来ない分は空気中に散布されて、そのまま空気に溶けるという設定です。

 そしてこの余剰生命エネルギーも余剰精神エネルギーは太古の昔、人間という存在が生まれた時点から存在して、大量に空気中に散布されていました。

 そんな訳で空気中にはほぼ無限と言っても過言ではない程の大量の余剰生命エネルギーと余剰精神エネルギーがあります。

 だけど、基本的にはあくまで余剰エネルギー。使われないエネルギーです。そのエネルギーが単体で何かをどうとかは出来ませんし、この余剰エネルギーが自我を持つなんてのはありません。

 ただし、それがほぼ無限に近いレベルで大量に集まれば話は別です。

 近年の人口爆発により。何十億と存在する人間が毎日のように放つ何千億、下手をしなくても兆にすら届く余剰エネルギー。

 それらが、溜まって溜まって溜まりまくった結果、起こったのは余剰エネルギーの超絶飽和。余りにも多すぎる余剰エネルギーが世界をから溢れてしまったのです。


 つまり、地球という惑星の空気中に溶け込ませることが可能な余剰エネルギーのレベルを超えたということです。

 といっても余剰エネルギーというのはあくまで余剰エネルギー、空気中に溶け込まないレベルになっても、別に人体に害はありませんし、最終的に空気中に溶けこめない分は消失していたでしょう。

 ただ、何の因果か神の悪戯か、余剰エネルギーは消失する際に何かしらの奇跡を起こしてから消失をしました。


 等価交換という言葉があります。


 意味にすれば等しい価値を有するものを相互に交換すること。


 ただそれだけ。


 余剰エネルギーという価値を持つものが消失する為にそれ相応のエネルギーもとい奇跡を行使してから消失をする。

 

 なるほど当たり前の話です。


 そして溜まり溜まって溢れかけていた、というか溢れていた。余剰エネルギーのほぼ全てを消費して、とある一つの奇跡を行使しました。


 それこそが魔法という概念の誕生。

 より正確に言うならば、人間の魂に余剰エネルギーを貯めることの出来る器を生み出す奇跡を行ったのです。

 これはある意味での余剰エネルギーの無意識の防衛反応のようなもの、人間らしい言い方、考え方とするならば余剰エネルギーで溢れかえってるし、人間がそれぞれ余剰エネルギーを保管出来るならその方が良くねって感じです。


 そんな奇跡を余剰エネルギーが起こしたことにより世界から溢れかえる程あった余剰エネルギーは減少をしました。

 それから5年、余剰エネルギーはまた空気中に限界まで溶け込み、溢れかえりそうになりました。

 そして余剰エネルギーが魔法の次に起こした奇跡は異能の発現。


 人々の願いを完璧ランダムに無作為に選んで余剰エネルギーが溢れそうになったら適当な人間に異能を与える。

 そうして溢れた余剰エネルギーが異能を様々な人間に授けていました。

 そんなこんなで気が付いたら世界中の人間のうちの100人に一人が異能を持っているという形となっていました。

 めでたしめでたし


 なお、余剰エネルギーをより多く消費する為に、めちゃくちゃに強い異能とかを授けたりとかはないのか?

 という質問に対して、これもまた世界の防衛反応のひとつですと答えます。

 余剰エネルギーにも防衛本能のような形で世界を保護しようとする機能がありました。余りにも強すぎる異能を手に入れて、その結果、この世界が滅ぼされてしまったり、人類に甚大な被害が出るということはなしにしたかったのです。

 なので、【人々の願いを完璧ランダムに無作為に選んで余剰エネルギーが溢れそうになったら適当な人間に異能を与える】と言いましたが、より正確に言うのならば【人々の願いの中で世界を崩壊させたり、世界に甚大な影響を与えるようなものを除く、もしくは大幅な弱体化をした上で完璧ランダムに無作為に余剰エネルギーが溢れそうになったら適当な人間に異能を与える】ということです。


 さて、これを読んでいたら、かなりの人が【あれ?これ異能持ち増えるんじゃね?】と疑問に思うでしょう。

 これはイエスでありノーです。

 異能持ちは増えます。増えますがその増え方はかなり緩やかであり、異能持ちの人が諸々の原因で亡くなるスピードとそこまで変わりません。

 一応これには理由があります。

 ズバリ、【異能は周囲にある余剰エネルギーを消費して発動しているからです】

 ようは、異能と言うのは余剰エネルギーは溢れそうになるから、それをどうにかする為に様々な人に与えられていたもの。

 余剰エネルギーが溢れなければ異能を与える必要はありません。

 そんな余剰エネルギーは異能を発動する際、例えば主人公の異能【影分身】が発動する時も主人公は気が付いていないだけで、影分身一体につき最低でも1万もの余剰エネルギーが消費されています。

 影分身は完璧な本人のコピー、原理としては余剰エネルギーによって主人公の形をして、その場でコピーされた主人公の記憶を持った人形を作ってる感じです。

 そして人形が壊れる際に、余剰エネルギーを100程消費して影分身もとい人形が得た経験を全て還元してるってわけです。

 体力が分割とかは、実際の所はどうでもいいのです。

 これは無限に影分身が出来たのならば世界に対して大きな影響がかかるという余剰エネルギーの防衛反応によるものです。

 なので、影分身を使って使って使いまくって、体力分割の機能を曖昧にしていけば、少ない体力で影分身を出せるようになります。

  

 以上

 補足説明終わり。

 

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