魔法と異能で溢れる現実世界で異能【影分身】持ちの俺が世界最強になるまで

ダークネスソルト

この世界は魔法と異能で溢れている


 2000年

 この世界に魔法が生まれた。

 魔法・・・それは今までは空想上の存在でしかなかった摩訶不思議な事象。

 何もない所から火を風を水を土を生み出す。

 科学では到底説明出来ない不思議な現象を魔力という目に見えない不思議なエネルギーを対価に発動する。

 そんな魔法をある日突然人類のほぼ99%以上が使えるようになったのだ。


 敢えてもう一度言おう。


 魔法をある日突然人類のほぼ99%以上が使えるようになったのだ。

 ほぼ99%以上、つまり人類のほぼ全員が突然魔法を使えるようになったのだ。

 これによってよくある物語の様に世界は大混乱となり、法は意味を無くし、魔法が飛び交い、犯罪が横行する、辺りには魔法によって血と臓物が飛び散り、魔法を強く使える者が世界を支配する。強さこそが全て。強さこそが至極。

 そんな世紀末、もしくは、地獄のような状態には一切ならなかった。


 敢えてもう一度言おう。


 世紀末、もしくは、地獄のような状態には一切ならなかった。

 そう一切ならなかったのだ。


 魔法という不思議な事象を人類のほぼ全員が使えるようになったのにも関わらず、世界は特に大きな問題も大きな混乱も起きなかった。

 なんなら魔法なんていうのが生まれたものだから、事実確認やら少々の混乱等で一時期の間、世界各地の紛争が減少したくらいだ。


 では何故、魔法という超常の力を人類のほぼ全員が使えるようになったのに特に大きな問題が起きなかったについてだが、それには明確なる理由があった。


 まず最初に魔法が使えるといっても出来るようになったのは、せいぜい小さな、それこそ煙草に火をつけれる程度の火を生み出すことだったり、小さなそよ風を引き起こす程度のことだったり、コップ一杯にも満たない水を生み出せる程度だったり、小さな土塊を生み出せる程度だったのだ。

 それも魔法を使えるようになった人類ほぼ全員がそれらの小さな小さな魔法を1日1回ギリギリ出来るか出来ないか程度であった。

 その上、魔法を使うだけで疲労困憊、まるで全力で体力の限界まで走ったかのような激しい疲労感に襲われるというおまけつき。

 はっきり言って割に会わなかったのだ。

 誰が現代の技術ならば一瞬で再現できる現象を体力のほぼ全てを使ってまで起こしたいというのだという話だ。


 そうして人類のほぼ全員、それこそ99%以上が魔法を使えるようになったが、魔法を私的に使う人はほとんど現れず、鍛えたら最強になれるのではと考えた人もいたが、非常に成長率は悪い上に特訓は恐ろしいレベルで苦痛であり、自分の限界を超えて無理やり魔法を行使すると体から流血をして、最悪爆散死するという最悪な現象まで発覚してしまった。

 それがニュースとして取り上げられて、超絶極一部の物好きが自殺願望のある変態を除き誰も魔法を使わなくなった。

 そんな超絶極一部の変態も自殺願望のある変態も、魔法という事象の余りの成長率の悪さと、そもそも自殺するなら普通に飛んだ方が早い等の理由でいなくなり、本格的に魔法を使う人はいなくなっていった。


 それから10年後


 異能が現れた。

 異能、それは100人に一人という割とかなりの高確率で現れる能力。

 魔法とは違う能力であり、全くの別物として存在している摩訶不思議な能力、それが異能。

 そんな異能の力は非常に多岐に渡った。

 ある者は土下座が上手くなる異能、ある者は割り箸を割るのが上手くなる異能、ある者は服を脱ぐのが早くなる異能、ある者は本を読むのが早くなる異能、ある者は視力が生涯1で固定される異能、ある者は体が少し柔らかくなる異能、ある者は寝つきが良くなる異能。

 はっきり言って、使えないというかもはやそれは異能なのかって異能がほとんどであった。

 因みに異能は突如天啓のように自分が授かったと認識出来るようになり、その授かった異能の具体的な効果にルールが分かるという、何とも都合の良い形ではあった為自分がどのような異能を獲得したかの判別が非常に容易であったのは救いである。

 もしも天啓がなければ自分が異能持ちだと知らずに生涯を終える異能持ちがほとんどであっただろう。それだけ異能は異能?って形の微妙な異能がほとんどであったのだ。

 そう考えれば天啓が起こる理由は相変わらず不明ではあるが天啓というのは非常に便利であった。


 かくして世界に魔法が出現してそれが当たり前となり、異能が出現してそれもまた当たり前となり、1年が過ぎた。


 2011年

 極稀に魔法を元からある程度使える魔法使いと呼ばれる者や、鑑定眼や怪力、火操作といった実践でも十二分に使える異能と言える異能を持った者が現れるようになった。

 なったがしかしはっきり言って現代の科学技術の前にはどれも劣り、ほぼ全ての魔法使いに有用な異能者は拳銃で簡単に制圧されてしまう程度の力しかなかった。

 本当にせいぜいその程度であったのだ。

 魔法使いに異能力者なんていう物語、ライトノベルの世界では最強、俺TUEEE出来そうなものだが、一切そんなことはない。現実はかくも非情であったし、現代の科学技術というのは恐ろしく優れていた。

 もちろん人体実験なども一部では行われていたが、余りにも成果が出ないので早々と打ち切り、一応世界で魔法や異能に関する法律が定められて、はい終わり。

 魔法使いだ異能だなんだいうけれども、扱いはかなり雑になっていった。というか数が多すぎるし、さして有用じゃないから雑にならざる負えなかったという話であった。 


 人間とは適用をする生き物である。

 誰の言葉かは分からないがよく言った物である。


 人間という種族のほぼ全員が魔法を使え、100人に一人というそこそこの高確率で異能が現れるこの世界を今の人間はそれを当たり前だと認識するようになり、実際にそれが当たり前な世界となったのだ。


 そんな世界にて一人の男の子がうぶ声をあげた。


 その男の子は何処にでもいるような平凡なサラリーマンである父と何処にでもいるような平日はパートで働いている平凡な母を持ち、至って普通に何の病気も抱えずに健康体でこの世界に産み落とされた。















 だけど世界は知らなかった。

 この少年がとある【死】と【闇】を司る魔法に対して、それこそ文字通り神の領域に至る程の才能を持っていることを。


 だけど世界は知らなかった。

 この少年は魔法に強い憧れを持ち、苦しい思いをしてでも魔法を鍛えようと思える極一部の頭のネジがぶっ飛んでいる狂人であるということを。

 俗に言う戦闘狂の素質を持っているということに。


 だけど世界は知らなかった。

 この少年に対して超有能にして非常に様々な使い道のある最強クラスの異能【影分身】は与えられるということを。


 まだ、世界は知らなかった。


 少年は魔法と異能が当たり前となったこの世界で最強へと至るということを。


 これはそれまでの道筋とそして最強に至ってからの物語である。


 そして、これは本当にどうでもいい蛇足かもしれないが、その少年の名前は【上野 泰斗】といった。

 

 ――――――――――――――――――――


 勘の良い方はお気づきかもしれませんが、上野泰斗、つまり私の別作品の主人公の名前と同じです。

 特にクロスオーバーさせるつもりはありませんのでよろしくお願いします。


 一応性格やら設定はしっかりと練っています(文字には途中までしか起こしてないけど)


 内容としてはダークネスソルト初めての試みとして日記形式で書いていこうかなと思っています。


 面白いと思って頂けました嬉しい限りです。

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