外伝・客観的に見た主人公がどれだけ化け物について語る偉い人達


 現在、会議の場には異能管理局の最高責任者にして異能管理局の創設者、異能【予測演算】という実質的な未来予測を行える強異能を持ちつつも、諸々失敗をしてしまい現在、どっかの世界最強の10歳児のせいで絶賛禿げ散らかして胃潰瘍確定盤面に悩まされている。理事 測演


 警察庁・異能対策課のトップにして異能【鬼】という、文字通り鬼のような力を得れる、最強クラスの力を持ち、たった一人で千の軍隊に匹敵するとさえ言われている怪物。鬼仏 龍我


 異能管理局において、伝説のナンバーゼロの称号を持ち、鬼仏に並ぶとも劣らない力を持った。謎多き人物、異能は【死者異能強奪】という自分が殺した相手の異能をデメリットなしで強奪するという、ありとあらゆる創作物ないにおいても最強の能力と呼び声が高い強奪系統の異能の持ち主であり、日本に対して強い忠誠心を備えた忠実なる騎士。仁強 騎士


 魔法と異能が溢れた世界において、一早く異能と魔法の有用性に注目をして、とある異能を活用して、魔法を誤って使ってしまって死亡してしまうという事故を防止する、魔力抑制の指輪の開発・販売から始まり、異能力者や魔法使いを集めて、エンタメ事業を行ったり、極稀に現れる異形系統の異能力者専用の衣類等の開発。

 更には異能がいきなり現れての暴走という事故を防ぐ為の遠距離から発射出来る簡易投擲網や自分の身をすぐさま守れる10センチくらいの大きめのポケットに入る程度のサイズだが開くと変形して50センチくらいの盾になり、身を守ってくれる。ポケットシールド等々を開発、最終的に事業を海外にまで広げて、一躍世界的な大企業になった。ミュータント&マジック株式会社の創設者にして代表・尚嗣 天


 そして、日本の顔であり、日本という国を統べる最高責任者、異能管理局の長・理事 測演の友人にして、現在支持率80%という高水準を叩き出している、総理大臣。天神 喰臥


 以上の大物5人が集まっていた。


 この大物5人が一堂に会するというのは中々にない、全員がかなり多忙であり、予定を合わせるというのがそもそも難しい。

 ただ、そんな予定を無理やり変えてでもこの5人は集まらなければならない理由があったのだ。


 その理由は上野泰斗についてである。


 上野泰斗という世界最強の力を持った、化け物についてこれからどのような対応を取っていくか、話し合いをすることになったのだ。否、話し合いをしなければならなかったのだ。


「さて。我々の仲だ、公式な場でもないし、敬語は不要でいいか?」

 開口一番、異能管理局の長がそういう。

 これは事実であった。

 全員が何かしらの形で面識があり、遇に酒を飲みかわすし、旅行に行ったりする程度仲が良かった。


「ああ。そうだな。取り敢えず、理事よ。上野泰斗について今分かっている情報を提示してくれるか」

 理事もとい異能管理局の長と最も仲の良い総理がそう問う。


「そうだな。では今の所分かっている上野泰斗の情報について説明をする、現在彼の年齢は10歳。家族構成としては父親と母親と妹がいる4人家族。

 特におかしなところはなく、上野泰斗の家族、及び5親等まで調べたが、全員が非異能力者であり、魔法使い等も一人もいなかった。

 ここから分かるのが上野泰斗という存在だけが明らかな突然変異のようなものであり、異常な存在であるということである。

 性格は小学生らしく、何処か気分屋で適当なところがあり。物事を深く考えずに行動する。自分がやりたいと思ったことをやる人間であり、やりたくないことはやろうとしていない。ただ両親の教育が良かったのか、性格としては割と優しく困ってる人がいたら手を差し伸べようと思っているし、悪いことをしようとは思っていない。法律を破ってはいけない、約束とかは守ろうという律義な所もある。ただし倫理観がかなり欠如しており、犯罪者なら殺してもいいよねと、犯罪組織のメンバーを何千人と一切の顔色を変えずに虐殺している異常者である。

 なお。予想される上野泰斗の異能としては【分身】【多重分身】【自分作成】【影分身】【増殖分身】等の大量の分身を生み出す異能である。

 能力として魔法使いとしての才能があり、特に闇魔法においては、下手な最強クラスの異能よりも極力な力を持っている。

 また、真に厄介なのには、闇魔法によって生み出された眷属達であり、上野泰斗がヤミちゃんと呼ぶ、可愛らしい子犬のような容姿をした眷属、こいつは1匹だけでおそらくナンバーに匹敵する力を持っている化け物である。

 このヤミちゃんは体が闇によって出来ているので物理攻撃無効であり。もしも倒すとなったらば魔法使いもしくは光系統の異能を持っていなければならない。

 体が闇なのでどんな場所であろうといとも簡単に侵入できる力を持っており、ヤミちゃんの前ではどんな警備も無意味となる。

 そんな1匹だけでも厄介極まりないヤミちゃんは最低でも100体以上いると予想されており、最悪の可能性としては数千体。数万体いるという予測も出ている。

 更に言えばあくまで眷属であるので。私達が知らないだけで上野泰斗の手によってこのヤミちゃんよりも強く、恐ろしい眷属が存在している可能性は大いにある。

 ただ、言い換えればヤミちゃん含めまだ見ぬ化け物も全員眷属であるので、上野泰斗さえ殺すことが出来れば、全員消えてなくなると予想される。

 なお、上野泰斗の詳しい戦闘能力として、先程述べた通り、デメリット等一切なしで何百人に分身する異能、ほぼ無尽蔵といえる魔力とそれによって繰り出される様々な強力な闇魔法。

 闇魔法以外の魔法も扱うことが出来、他の魔法使いとは文字通り次元が違うレベルの強さを持っている。

 本人の近接戦闘能力も非常に高く。上野泰斗の生み出した我流武術は異能管理局と警察の教育に使われているレベルである。おそらくこと対人戦闘においては世界最強の武術といっても過言ではない。その開祖であり最強の使い手と考えれば、=で近接戦闘においても最強であると予想される。

 さて、これらの情報を踏まえた上で、上野泰斗という化け物をどうするかを考えて欲しい。因みに俺は上野泰斗は殺した方が良いと思っている」


「なあ、理事よ。今の話を聞く限り、上野泰斗って化け物を殺すのは無理じゃないか?」


「ああ、儂もそう思う。無理だろ。というか物理攻撃無効ってのが、儂の異能【鬼】と相性が悪すぎる。そのヤミちゃんってのが来たら儂は詰みだ。更に言えば儂も何度かアイツから武術を教わったが、アレは最強の武術だ。何をどう考えたらあんな武術を生み出せるんだ?人を殺すこと壊すことに特化し過ぎている。少なくともアレを生み出せる程の才能と場数を踏んでる奴と戦うなんてのは愚者のすることだぜ」


「一応今まで奪った異能の中には光属性の異能がいくつか存在するが、話を聞く限り、上野泰斗という化け物の魔力量に精神性を考えれば精々、風呂の中に一滴の墨汁を垂らす程度の効果しかないと思うぞ。異能は非常に魅力的だし、殺して奪えるものならば奪いたい。だが断言できる私じゃあ絶対に勝てない。だからこそ私からも言わせていただこう。彼を殺すことは諦めろ懐柔しかない」


「皆さん意見としては殺すことに反対、いや殺すことが出来ないと思ってるようですが、私に一ついい案があります」

 総理に鬼仏に騎士の3人を嘲笑うかのように尚嗣が笑みを浮かべて話し出す。


「狙撃すればいいんですよ。話を聞く限り、上野泰斗という化け物は確かに化け物です。世界最強に相応しい力を持っています。一応私の方でも上野泰斗について調べましたが、同じように世界最強の化け物という結論に至りました。ですが、所詮は人間です。影分身で数がいると言っても、全員狙って同時に頭を撃ち抜けばいいのです」


「ハア。何を言うかと思ったら。馬鹿だろお前。本当にお前みたいな馬鹿な奴が世界的な大企業の創設者とか、終わってんな」


「ああ。本当に度し難い程の馬鹿だな」


「え?何故ですか?そんなに悪くないと思いますが」


「ハア、おい。もしもこれ失敗したらどうなる?」


「失敗したらですか。それは敵対コースですね」


「ああ。そうだよ敵対コースだよ。じゃあ無理だろ。失敗したら世界最強の化け物が敵に回るんだぞ。馬鹿の考えだろ。なのにワンちゃんにかけて狙撃とか、頭が悪いにも程がある」


「でも、このまま何もせずに手をこまねいているよりかはマジでしょ。挑戦ですよ。挑戦。私は数々の挑戦をして会社をここまで大きくしてきたのですから。リスクを恐れては何も出来ませんよ」


「ハア。リスクねえ、まずいいか、相手は世界最強の化け物であり何百人にいう分身を出せる。そして今の俺達にはその分身を見抜く手段がねえ。更に言えば、闇魔法の天才である彼はよく闇で自分の体を覆っている。この闇は銃弾を余裕で無効化出来る強度を持っている。なのに狙撃?馬鹿も休み休みに言えよ」


「・・・じゃあ。逆に聞きますけど。貴方たちは上野泰斗を殺せる方法があるんですか?」


「・・・それは・・・、分からねえ。ないかもしれんな」


「じゃあ、文句を言うならせめて意見を出してから言えよ」


「いやでも。現実問題として無理だろ。分身が大量にいるから、どれが本当の上野泰斗であるか見分けるのがそもそも不可能だし、狙撃というのが効果あるかどうかも不明だし」


「やっぱり懐柔しかなくて?」


「確かに。でも理事は殺した方がいいと思うんだら」


「はい。アレは人と異なる生物です。何かしらの拍子に世界を滅ぼす邪神になる可能性を持っています。実際にステータス鑑定をしたら神の因子?のようなものを持っていますし」


「ステータス、ああ。あの最初に配られた資料に書いてあったな。・・・そう考える確かに処分をした方が・・・いやでも、無理だろ」


「もう一度言うが、私では上野泰斗に勝てんぞ。もしも勝てる可能性があるとすればデメリットなしで異能力無効化と魔法無効化という存在しているかも怪しい異能を探し出して奪った上で、上野泰斗の武術のレベルを考えれば軍隊を引っ張って来てようやく勝てるか勝てないかだぞ。少なくとも上野泰斗が異能と魔法を使えなくても、1対1だと絶対に負ける自信がある」


「儂も同じく無理じゃ。仮に上野泰斗が異能と魔法を使えなくて、儂だけ異能を使える状況でも、多分あの化け物の前ではさして意味なく蹂躙されると思うぞ。異能【鬼】という物理系統の中だと最強の異能だが、あの化け物の前じゃあ、いともたやすく首を落とされて即死で終わりじゃな」


「・・・じゃあ。やはり懐柔しかないか」


「ああ。そうじゃな」


「異議なし」


「狙撃意外となると私も思い浮かびません」


「一つ条件を加えてもいいか?」


「どうした、理事?」


「もしも、万が一にでも上野泰斗を殺せる可能性が出てくれば、それを実行していいか。アレは絶対に将来厄災となる。少なくとも私が寿命でくたばってしまう前にどうにかしたい」


「分かった。ただ、万が一ではなく100%殺せる可能性が出たらだ。失敗して敵対したら目も当てられないからな」


「それはそうだな。・・・分かった。その条件で良い」


「じゃあ、解散。各自仕事に戻りますか」


――――――――――――――――


 かくして上野泰斗は懐柔という結論で終わりを告げた。

 それと同時に国の方から上野泰斗用特別国家予算もとい世界平和維持予算が組まれるのだった。(犯罪組織が上野泰斗のおかげで壊滅したので割と予算的には余裕がある。犯罪組織を潰した際に金品を押収してる)

 なお、何処かの某世界最強みたいに、上野泰斗という個人が国と不可侵略条約やら平和条約やら同盟やらを結んでいくのはまた別の話に見せかけて割と近い将来のお話。



宣誓ッ

我が○○国家は

世界最強である上野泰斗とここに友好関係を結び

氏を尊重し

氏における一切の生活を侵害することなく

この確約をいかなる事態が起ころうが遵守し

神の下 この確かなる友好条約を全うすることを誓う


多分、各国の大統領がこのセリフを叫ぶ日は近い。

wwwwwww。



補足説明


異能【死者異能強奪】・・・自分が殺した相手の異能をデメリットなしで強奪することが出来る最強に近い異能。

しかしながら、強奪出来る異能には限りがあり、現在は5つまでしか異能を強奪することが出来ない。

また、強奪した異能は毎日一定時間使用していないと、自然消滅してしまう。


―――――――――――――――


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