日記 6歳と7カ月 (魔法の説明・前編有り)

 2016年 9月〇日

 今日は新しい魔法の特訓について考えることにした、僕は半年間の修行の成果の結果として魔力最大値がかなり上昇した。

 そのせいでというべきか、今までしていた水をひたすらに生み出しって感じの修行方法だと効率が悪くなってきた。


 という訳で色々と影分身たちと話し合いをしたわけなのだが、空間魔法を使えないかなという話になった。

 魔法は基本的には火・水・土・風があり、この4つしか使えないのが常識である。

 だけど僕は最近思うのだ、何故これが常識なのだと。


 別に火・水・土・風の俗に言う四代元素以外にも魔法を使えるのではないかと?

 ライトノベルでは普通に空間魔法や闇魔法・光魔法といった四代元素以外の魔法がある、もはやありふれているというレベルである。

 じゃあ、使えるんじゃねって?

 少なくとも誰が四代元素しかし魔法は使えないなんて決めたんだって話だ。


 だから僕は空間魔法を使えるのではないかと試すことにした。


 何故空間魔法を試すかといえば、最も周りに対する被害が少なそうだからだ。

 闇魔法とか光魔法は純粋に目立つし、何かを破壊しそうである。

 そうなったら僕のこの力がバレる可能性が出てくるし、普通に迷惑になる。これは非常に不味いしよろしくない。

 その点、空間魔法ではその心配はなしだ。

 そしてこれが最も大きな理由なんだが、空間魔法・異空間を使えるようになれば、アイテムボックスを使えるようになるんじゃね?そうなれば最高じゃない?と思ったからだ。

 我ながらラノベ脳だなって思うよ。いや本当にね。マジで。


 アイテムボックス、そのまんま、ライトノベルやゲームでよくあるアイテムボックスだ。


 これが出来るようになれば非常に便利だ。


 という訳で思い立ったらすぐ行動の精神で影分身を出して空間魔法・異空間を使おうと念じる。

 念じた瞬間に影分身は血を体中から噴出して自壊した。

 影分身なので噴出した血は自壊と同時に消えたので問題はなかったが、普通にびっくりした。

 どうやら空間魔法・異空間もといアイテムボックスは相当に魔力を消費するらしい、その代わり普段よりも魔力の最大値が増えているような気がした。

 という訳でこの方法が魔力の最大値を増加させるのに向いていそうなので、これからはこの方法を取ることに決めた。


 以上。


 終わり。





 2017年 10月〇日


 アイテムボックス魔力訓練法から一月が立った。

 この一月の間で魔力の最大値はかなり上昇した。

 両親が家にいない時にもはや懐かしのって言葉が出てくる水魔法を使って浴槽に水を注いでみた。

 浴槽が3分の1くらい埋まった。


 ネットで調べたところ浴槽には250ℓくらいの水量が入る筈だから、250の3等分だから、えっと、一旦0を取って、25の三等分だから8と余り1、その10倍だから0を足し、まあ大体、80ℓくらいだ。

 前まで2ℓのペットボトル1本分が限界だったから、80の半分で40、つまり魔力の最大値が40倍も上昇したという訳だ。

 控えめに言って意味が分からないってくらい魔力が上昇している。

 これはあくまで予想なのだが、アイテムボックス(空間魔法・異空間)という魔法を行使する為には恐ろしいレベルに魔力が必要なんだと思う。

 少なくとも今の僕じゃあ全く足りていないレベルで魔力が必要なんだと思う。

 だから影分身で魔法を行使しようとした瞬間に影分身は魔力を全部吸い取られて一瞬で自壊する。

 そして自壊することによって、アイテムボックスを使えるだけの魔力を確保しようとして、そのの分だけ魔力の最大値が上昇する。だけどまだ足りないからアイテムボックスという魔法を行使しようとした瞬間に自壊する。

 そして魔力の最大値が増える。でも足りなくて自壊する。魔力の最大値が上昇する。でも足りなくて自壊する。魔力の最大値が上昇する。でも足りなくて自壊する。魔力の最大値が上昇する。でも足りなくて自壊する。

 これを繰り返した結果、1か月という非常に短い時間で魔力の最大値が40倍も上昇したんだと思う。

 我ながらめちゃくちゃだと思う。もうチートだよ。チート。チートチート。チート万歳ですね。


 でも、魔力の最大値が上昇して悪いことはないし、このアイテムボックス訓練法はある意味で最高の訓練方法だと思ったわけだ。

 まあ、普通の人間はやろうとした瞬間に死ぬけどね。

 これはあくまで異能【影分身】を使える僕専用の特訓方法だな。


 因みに体力訓練は変化なし。変化というならばせいぜい影分身の数が1体増えただけだ。

 知識もとい読書の方も、普通に変わらず本を読んでいる。

 

 以上


 終わり。


 

 

 



――――――――――――


 補足説明(魔法の説明・前編)

 アイテムボックス訓練法は普通の人間はそもそも、アイテムボックスを発動しようという意思を持っても魔法の発動する兆候すらみせません。

 これは純粋に魔力の最大値が低すぎるからです。

 具体的にいえば、ほぼ全ての人間は初期の魔力量、MPは1です。

 そしてこのMPを使い切ったら文字通り死ぬほど疲れます。

 そんなMPを使い切った死ぬほど疲れている状態で無理やり魔法を行使しようとしたら血が体から噴き出して最悪死にます。


 この状態を簡単にいえばMPがなくなって生命エネルギーを消費した末路です。

 なので、人間の中にあるセーフティー機能として自分が死ぬレベルでMPを使用しようとした場合は魔法が発動しないように止めます。

 余程強い意志がない限りはこのセーフティー機能によって自分が死ぬレベルまで無理やり魔法を行使することは出来ません。

 そして主人公は魔力の最大値がある程度普通の人間よりも大きいのと、影分身を使って普通の人間が死ぬレベルの魔法を行使しまくっているので、そのセーフティーが馬鹿になっています。

 

 さて、ここからは蛇足というか、一応用意してあるこの世界の魔法という概念に対しての設定を書いていきます。


 本作にて後々明らかになるのですが、人間の魔力もといMPというのは余剰生命エネルギーと余剰精神エネルギーの二つが形となった物です。

 魔法というのはこの余剰生命エネルギーと余剰精神エネルギーを消費して摩訶不思議な事象を起こすことです。

 そしてこの余剰生命エネルギーというのは、そのまんま、生命維持に使っても余っている生命のエネルギーのことです。

 余剰精神エネルギーも同じように精神維持に使っても余っている精神のエネルギーのことです。


 基本的にこの二つのエネルギーは人間の根幹をなしている魂の器に少ししか貯めれることが出来ません。

 具体的にはMP1、小さな事象を1回起こす程度にしか貯められません。

 ただし、この魂の器というのは経験ないし魔法を行使して器を大きくしたいという強い意思によって大きくすることが出来ます。

 ようは主人公が魔法を使えるようになりたいと願って影分身に魔法を行使させる。

 その結果、魔法を自壊するレベルで行使したという経験が主人公に還元されてその経験から魔法をより行使するようになりたいという強い意思と合わさり本体の器が大きくなっているのです。


 ようは作中にて主人公の魔力が上昇したという形に見えてますが、正確に言えば余剰生命エネルギーと余剰精神エネルギーを貯める魂の器が大きくなったということです。


 なお、余剰生命エネルギーの方は人間という枠組みである限りはMP10程度が限界ですが、余剰精神エネルギーの方はかなり余裕があり、人の身であっても精神が強ければそれに伴って上がるって感じです。

 因みに今の主人公の余剰精神エネルギーはMP10000程度ってレベルであります。

 普通の人間は100程度ですが、最強に至るという強い意志を持った主人公はその100倍持ってるって訳です。

 因みに主人公の余剰精神エネルギーはまだまだ上昇していきます。

 なんで主人公の余剰精神エネルギーがそんな意味の分からないレベルで高いかというと後々、より詳しくは説明しますが、大きく2つの理由があります。

 一つ目は才能。

 二つ目は文字通り異常なまでの精神性です。

 主人公が影分身を使っての次回魔力増強やってますが、普通の人がアレをやったらショック死確定です。

 あの方法を物凄く分かりやすく言えば某魔法科高校の最強さんの技と同じ感じです。

 だって考えてもみてください、影分身は経験を全て本体に還元する力、そしてその経験の中には自壊して苦しんだ経験ももちろん含まれます。

 そんな普通の人なら自壊して死ぬレベルのダメージを一瞬で体に無理やり、それも場合によって複数人分が体に入るのです。

 まあ、ショック死確定レベルですね。

 それを平然と耐えてる主人公。うん、控えめに言って異常以外の何者でもありません。

 

 これでさっきの最初のMPがなくなって生命エネルギーを消費した末路という言葉に戻るのですが、これはようはMP1しか貯められない魂の器を持った人間が無理やり魔法を行使した結果、生命維持の必要なエネルギーを使ってしまって死ぬということです。

 なお、精神維持に必要な精神エネルギーを使用すれば植物人間状態となり死にます。どちらにしても魔法を無理やり行使しようとしたら死にます。

 余剰生命エネルギーや余剰精神エネルギーは使わないの?というアンサーに対しては、これらの余剰エネルギーというのは貯蓄することが出来ないので、すぐに空気中に排出されるので使用等は不可能です。

 当たり前の話ですが、まだこの事実を知る人間はこの世界にはほとんどいません。

 そうあくまでほとんどです、実はとある異能を持った人物4人はこの魔法という概念の事実を知っています。何なら更にその先まで知っています。

 その異能とは、ガッツリネタバレなので4人全員は言えませんが、近いうちに出す予定のキャラが一人いるので、そのキャラの異能だけこの場を借りて紹介させます。


 異能【啓示】

 ・完全完璧ランダムに突然かつ唐突に啓示を受ける。

  啓示の内容は明日の天気からこの世界の常識がひっくり返るような重大な真実まで様々なものがある。

  ただし一つ言えることがあるとすれば啓示の内容は必ず所有者の役に立つということである。

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