外伝 異能管理局の長さんは今日も胃潰瘍を確定させるようです
今日、何故か知らないが、唐突にあの化け物が上野泰斗が犯罪組織を壊滅させるから後処理よろしくとかいってきた。
断る理由もほとんどなかったので、というか断ったらまた洗脳されそうな気がしたのでオッケーしたら、文字通りほとんどの犯罪組織を壊滅させてきやがった。
マジで意味が分からない。
というか人数おかしくね?増殖してね?上野泰斗とかいう化け物増殖してね?
え?【予測演算】はどうだって?
なんか、そういう何百人と分身する異能を上野泰斗は保有している可能性が高いって?
は?
馬鹿じゃないの。馬鹿じゃないの。馬鹿過ぎるだろ。
心の底から神って馬鹿だろ。馬鹿過ぎるだろ。
何で、あんなただでさえ闇魔法の才能に溢れまくってる狂人に最恐にして最強の異能を授けるんだよ。
アレを増殖させるんだよ。Gを増殖させるよりもアレを増殖させた方が不味いだろ。
意味が分からないよ。
ついでにいえば仕事の量が頭おかしいレベルでのしかかってきたのだが。
犯罪組織の壊滅事態は大いに結構であり、素晴らしいことだ。
アレは日本の癌であり、100害あって1利なしのクソ共だ。
ただ、余りにも早すぎる。一応組み立てていた犯罪組織壊滅計画等が全部白紙になった上に、今まで犯罪組織対策として組んでいた異能管理局のメンバーと警察の組織が無意味となった。
その上で大量に犯罪組織のメンバーを殺しているせいで、その処理にも追われるし・・・死体処理メンバーも無限にいるわけじゃないんですよ。
唯一の救いは犯罪組織のメンバーをほとんど殺してくれているおかげで、刑務所等の空きに問題はなかったことだな。本当に皮肉なものだな。
後は普通に処理しなければならない仕事が増えた。めちゃくちゃに増えた。私が禿げて胃に穴が開くレベルで増えた。
ただまあ、大きなメリットが2つもあった。一つ目は純粋に犯罪組織が減ったこと。二つ目は早いうちに上野泰斗という化け物の力を知れたことだ。これで【予測演算】の的中率も上昇するだろう。
ただ、まだ情報が足りない。
私は学んだのだ。こと、上野泰斗という化け物においてはしっかりと情報を集めて【予測演算】を行う必要があると。アレはなめてかかってはいけないと。
もっと詳細な情報を集めなければ、痛い目に合うのは自分だと。
だから、わざわざ本部の方からとある人材を呼び寄せた。
そう異能【ラノベ的鑑定】保有者である。
異能の中でも希少な鑑定系統異能にして、ラノベ的?な人物にしか鑑定出来ないというデメリットこそあるけれど、かなり詳細に相手の能力を鑑定が可能であるというあの異能を使えばいい。
そう考えていた矢先、あの化け物の行った犯罪組織の壊滅という中々に狂った行動の代償のように、半グレ共の大幅な増加という大問題が起きる。
それをあの化け物が犯罪組織と同じように処分しようかなどと更なる馬鹿なことを言ってくる。
そんなもの駄目に決まっているであろう。
半グレ共はあくまで半グレ共。
大した罪も犯していないし、上手く更生させれば日本の益となる。
そもそも論として半グレ共は若者がほとんどだというのに、それを殺す?
そんなことをしたら、日本の経済的にも成長的にも様々な面から考えて大損失ではないか。
だから私は必死に彼が半グレ共を壊滅させないように説得した。
人間の言葉の通じない、人の皮を被って、被るきれていない化け物だと思っていたが、どうやら人の心はしっかりとあった上に、倫理的かつ常識的な考えを持っていたようで、何とか説得出来た。
我が人生において異能管理局創設の次に誇らしいと思えるレベルには達成感があった。
でだ、書類仕事に追われながらもなんとか、半グレ共の処理も終わり、大分仕事も落ち着いて来た。
そうしてようやく、異能【ラノベ的鑑定】を上野泰斗にかけれる機会が回って来た。
この為にセブンに頼み込んで、それとなく上野泰斗が異能管理局の本部に来るように仕向けたし、とんでもない強さが発覚した場合、もしくは明確な弱点等が見つかって処理出来そうな場合に備えて私の持てる全ての伝手を使ってすぐにでも会議が開けるように準備もした。
そして、結果は絶望だった。
まず【ラノベ的鑑定】をした異能力者は失禁した。
目が覚めてからなんとか聞き出した鑑定結果はこうであった。
名前 上野泰斗
年齢 10歳
性別 男
種族 人間?(人間80% 死霊王5% 闇王15%)
MP 76782
異能
【影分身】(極僅かな体力消費でMP完全保持&スキル完全保持の影分身を生み出すことが出来る。なお影分身は一定以上のダメージを受けると自壊する。自壊すると影分身の経験が本体に反映される)
スキル
闇魔法・極 四代元素魔法 速読 空間魔法 二刀流・極 我流武術戦闘特化・極 身体能力大幅強化 体力超上昇 異常精神 異形精神
称号
死霊王(5%) 闇王(15%) 人外の化け物 死霊神の才能 闇神の才能 読書家 理外の領域 オタク 世界最強 ラノベ好き 狂人 異常者 虐殺者 鏖殺者
なるほど、これは失禁するなと心の底から思った。
というか私の常識という何かが音を立てて崩れ去るのを感じた。
まず、聞きたい。どうやってこんな化け物を殺せるのだ?
案の定というべきか人間じゃなかった。
何なら神に至る可能性を持った死霊の王もしくは闇の王であった。
背筋が凍るなんて生易しいレベルじゃない、恐怖を感じた。
乾いた笑いすら出てこなかった。
その上で私は決意をした。あの化け物は今のうちに、まだ勝てる可能性があるうちに殺さなければならないと。
アレがもしも完璧なる死霊王へと至ったら、闇王へと至ったら。死霊神へと至ったら。闇神へと至ったら。誰も勝てない誰も逆らえなくなる。
それこそ神でもなければ勝てなくなる。
アレはこのちっぽけな世界に存在して良いものではない。
アレは、何処かもっと別の世界、それこそ剣と魔法が飛び交うような空想上の世界の住人だ。間違っても平和な日本で生まれていい存在ではない。
称号に虐殺者と鏖殺者と表示されるような狂人を殺さない?
馬鹿も休み休みにいえという話だ。
いつか、何かしらの拍子に、あの化け物の気まぐれでその恐ろしい力がこちらに牙を向く前に、この世界の平和を維持する為に。日本という国を、大陸沈ませない為に。絶対に、そう絶対に殺さなければならない。
だから私は一途の希望を抱いて、私が死ぬ気で集めた上野泰斗の情報全てとその他上野泰斗を殺せる可能性を持っていそうな存在全ての情報をいれて、もう一度【予測演算】をかけた。
【上野泰斗という化け物を殺せる可能性はあるか】と
そして【予測演算】が導き出したのは衝撃の結果であった。
上野泰斗本人から上野泰斗が生み出した我流武術戦闘特化・極を異能管理局に警察に習わせれば、1%以下の確立ではあるが、上野泰斗には及ばないものの、上野泰斗の首に剣を届かせる可能性を持った剣士が生まれる可能性があるらしい。
そして、そんな剣士が運よく複数人生まれれば、もしかしたら、上野泰斗を殺せる可能性があると。
そう結果が出た。
1%以下、確率で言えば恐ろしく低い。
だけど、あの化け物を神に至ることの出来る王の名前を持っている化け物を殺せる可能性を持った剣士が生まれる確率と考えれば上々だ。
そしてそんな幸運が複数回続けば、上野泰斗を殺せるメンバーを編成出来るらしい。物凄い低確率だ。神に祈るような低確率だ。
でも、さっきまで一切何も見えない暗闇の中にいたと考えれば随分と希望の光は大きく照らしてくれている。
ハハハ。
気分はさながら誰も勝てない強大な魔王に挑む勇者パーティーを編成しているようだな。
といっても相手は魔王が可愛く見えるレベルでおっかない化け物だけど。
でも、それでいい。
それがいいんだ。
私はやるぞ。
決意をした。
上野泰斗という化け物を殺そう。
周りは彼は優しいだの、懐柔すれば上手く使えるだの、一般常識に良識的な考えを持っているだの、犯罪組織を壊滅させた英雄だの、馬鹿なことを言っているが。
まあ、一理ある。
今の彼を見て入れば、そう思うのは無理はない。
実際に彼は私達に利益をもたらしている、日本という国に充分な貢献をしている。
一時は彼を殺すのではなく懐柔して味方にしようと考えた。
でも、今回のステータスを見てしまった。その上で彼が私を洗脳する際に見せた、人を人を思っていないあの壊れた目を思い出して、確信した。
アレは分かり合えない。
根本的に人間とが違う生き物だ。
偶々上手くいってるだけど、簡単に崩れてしまいそうな関係だ。
ある意味で今の世界の平和よりも脆く、柔らかい。薄氷に日の光を当ててるレベルの世界だ。
だから、殺そうと。この世界の為に殺そう。日本の為に殺そう。平和の為に殺そう。人間という種族が生き残る為に殺そう。
私が死んだ後も日本が良い国として存在する為にアレは、あの化け物は絶対に殺さなければならない。
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補足説明
まあ、主人公ですし、絶対に殺せないんですけどね。
因みに主人公が自分の本当のステータスを知るのはまだまだ先です。
流石にあんな狂ったステータスを本人に見せられませんからね。
正確に言えば不自然がないように都合の悪い称号や種族の所をカットしたステータスは教えているって感じですね。
そこら辺は次回。
因みに異能管理局の長・理事 測演はかなりの苦労人です。
年齢は56歳なんですが、主人公のせいで最近一気に禿げて来た&胃潰瘍になって胃薬が手放せなくなってます。
愛国心に溢れていて、主人公の異常性をある意味で主人公よりも理解している存在、今の所は主人公が無意味な虐殺とかさせるつもりはないですが、まあ、もしも家族や親しい友人が異能管理局を恨んだ犯罪組織によって殺されたりしたら、軽く闇落ちして、周囲の被害を一切考えずに犯罪組織を壊滅させたりしますね。
え?
もしも、主人公を自分の駒にしようと、アホな政治家が主人公の家族を人質にとって、異能【従属】とかを要求してきたらどうなるかって?そんで見せしめとかで家族が殺されたりしたら?どうなるかって?
速攻でキリリングゴーからの、盛大に政治家をキリリングゴーしちゃったので、異能管理局の長がすぐ近くにいて止めに入らない限りは警察と異能管理局と敵対。
そっからの虐殺エンドで、日本崩壊ですね。
いやまあ、流石にそんな展開にはしませんけど。
主人公は割かし情緒不安定な所がある狂人なので、何かしらの拍子にやらかしてしまう可能性は充分過ぎるレベルであります。
なので割と異能管理局の長さんの判断は正解なんですよね。知らんけど。
クッソ今更やけど、異能管理局の長よりも異能管理局長の方が良かったかもしれない。いやまあ、直すの面倒というか、まあ意味合い的にはそこまで問題ないから変えないけど。
後、主人公の才能が闇王とか闇神以外にも死霊王・死霊神ってのが混ざってるのは別作品の、この作品とは別の世界線の主人公である上野泰斗が死霊王になって死霊神へと至ってるからです。
因みに上野泰斗の両親も妹も普通の人間です。
彼が突然変異な感じです。
そこら辺の詳しい説明はおいおいする予定でしたが、別にもったいぶる必要もないので、今しちゃいます。
ズバリ本当に突然変異なだけです。
世界の宿命を背負ってるだとか、この世界の均等を保つためだとか、前世が神だったとか、神の因子を体に宿してるとかってのまあある意味で当てはまってますが。
まあ、基本的に大した理由とか、そんなのは全然ないです。
完璧なる突然変異です。
敢えて理由を二つつけるならば、一つ目は別世界線の主人公であり異世界を自由に行き来できる死霊神である上野泰斗が異世界を行き来してる際に漏れ出た神の因子がある意味で同一の存在である上野泰斗にちょっと入ってしまったこと。(時空間の世界線とかは知らん)
二つ目は死霊神とか闇神とか、神になった方が主人公最強系統として良くね?というかその方がカッコイイやんっていう作者の都合です。
つまりご都合主義って奴です。
以上
終わり。
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