第5話 夢のみんなで
夢を見た。夢のみんなで帰ろうよ…その言葉を…口の中で繰り返す。今は誰も居ない教室を見回すと暗い部屋の中に孤立している僕が居る。先生が教室に入ると着席するように言われる。先生は「悲しい事故でした」そう語ると教室を見回す。「このクラスは今日で終わりです」僕はみんなが居ない理由を思い出す。バスの事故だ。旅行で横転したバスはガードレールを破壊して崖下に落ちた。ぼくだけが後部座席の唯一の生き残り。先生は僕に手を差し出す。僕は手をしっかり握るとゆっくりと教室を出る。
「寝てたの?」同級生の女の子が僕を見ている。隣の席で仲良くしている。バスはぐんぐんと速度を上げるとガードレールに突っ込む。僕は「みんなは帰ろうよ」と願う。バスは崖下に落ちた。
また教室だ。誰も居ない教室は暗く恐ろしく見える。先生が入ってきた。「悲しい事故でしたね」先生は教室を見回すと「あなただけが死にました」僕は自分の願いが叶(かな)った事を嬉しく感じた。ありがとう。ありが……
終わり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます