第10話 古いビルの音
「このビルか ……」
俺は嫌な予感しかしない。会社も生き物だ。メンテナンスを怠れば機能しなくなる。ボロなのだ、昭和かよと思うビルだ。○○株式会社の音で近隣のビルから苦情がある。配管だろうと俺は考えていた。古いと水が流れただけでも異音がする場合がある
休日のビルは気味が悪い。エレベータで順番に様々な階を調べたが別に何も異常は無い。配管ならば屋上から水を流して排水の音を確認しようとした。同僚を屋上に上げて俺はビルの中で待っていた
何分しても音はしない、連絡も無い、俺は屋上に行くことにした。屋上には誰も居ない。変な音がする。異音だ
「これか?苦情の音は?」
屋上からエレベータを使おうとすると使えない。階段で降りるが降りても降りても下につかない。同僚を見つけると彼も焦っている
「みんな出口を探しているんです」
みんな?上から人が降りてくる、靴音が響く、異音だ。上から何十人も降りてくる。靴音で気が狂いそうだ。俺は今でも地上に出られない
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