第35話 帝都とタケダ伯爵

戦闘が終り、ミヤモト先生と、教団の捜索が始まった。


騎士団もかなり緊張している、原因はミヤモト先生が、元騎士団長だからだ。


学園に生徒全員が戻った。


翌日、休校のままに成ったと、寮に連絡が、再開まで時間が、必要なようだ。


タケダが旧平民寮にやってきて、再度、話し合いの席を、設けたいとの事だった。

関係者での会談の様で、俺達も貴族街に行くことに。


翌日、朝から馬車が寮に来た、かなり豪華だ。

タケダとアサイのグループが、馬車に乗る。


私たちは、オダ邸から馬車が来た、カグヤさんが御者のようだ。

馬車ではミズキさんと、しずくさんが乗っていた。


「こんにちわ、大変だったわね、貸していた武装が、役に立ったようね」

しずくさんから、安堵の表情が見れた。


「これからタケダ、アシヤ家も交えての会談となります、ユカリも無事で良かった」

ミズキさんも、家族を心配していたようだ、アシヤ家も参加か。


王城まで上級貴族街を抜ける、かなり豪華な屋敷が多い。


庭付き豪邸ばかりであった。


王城の近くに行く、かなり大きい西洋風の城であった。

手前で進路が変わり、近くの豪邸に馬車が入る。


領の辺境伯邸に近い大きさであった。


馬車が止まり扉が開く、ミズキさんが先頭に立ち、順番に降りる。

屋敷前では使用人が行列で待っていた。


「様こそ御出でくださいました、当屋敷の管理人タケダ家、家臣、トクダと申します、あるじがお待ちです、ご案内致します」

メイド、執事が一斉に頭を下げる、壮観であった。


「お世話になります」

しずくさんが挨拶をした、トクダさんが先導してくれた。


「こちらで、皆さん揃うまで、お待ちください、何かありましたら、メイドに、お申し付けください、お茶を早速ご用意します」


オダケの数倍の広さの、応接室に通された、メイドさんが、お茶菓子とお茶の用意を、瞬く間にしてくれた。


タケダ、アサイも入ってきた、着席した後タケダが話す。

「どうぞ食ってくれ、お前達は客人だ、遠慮は要らん」


「頂きましょう、待ちきれないみたいだし」

しずくさんの視線の先には、シルヴィがじっと、お菓子を見つめていた。


「いただきます、おいしい、こんなお菓子始めて」

シルヴィがご機嫌である、普段かなりの節約生活のようだ、オダ家でも、そこそこ良いお菓子が出るが、和菓子が中心で、洋菓子は意外と少ない。


ケーキが出ていた、この世界では始めて見た、高いのかもしれない。


暫くして、ドアが開く、屈強そうな人と、かなり細いおじさんが入ってきた。

「おう、寛いでるか、先日はバカ息子が、すまなかったな、紹介する、そこの細い奴がアシヤ子爵、わしがタケダだ」


皆立とうとしたが、手で制された、座ったままで良いとの事だった。

「堅苦しいのは性にあわん、みんな、おじさんでも、オジキでも好きに呼んでくれ、アシヤにも遠慮は要らん、遠路せず食ってくれ、子供が遠慮するな、珍しい西洋菓子だ、まだまだあるからな」


アシヤ子爵も微笑んでいた、気にしないタイプで、子供好きのようだ。


皆が着席し少し落ち着いた所で、タケダ伯爵から話が始まる。


「ところで、やはりミヤモトだったか」


「そのようですね、子供たちの話だと、間違いないようです」

しずくさんが、返事をする。


「婚約者を無くしてから、あいつは変わっちまったからな」


「良い人だったんですが、最近は闇魔法研究に、没頭していたようです」


「反魂の魔法か、成功例がないが、古には成功例があると、言い伝えはあるが」


二人とも、ミヤモト先生と、知り合いだったようだ、反魂は蘇生か何かかな?。


「何にしても、帝都を騒がせるだけが、目的じゃねぇだろうな」


「可能性としては、反魂の儀式に必要か、利用されているか、どちらかですね」


「どちらにしても、止めねぇと、いかんがな」


「そういや、坊主たち、何かの宗教団体の様だと話を聞いたが」


俺達のチームに話が来た、ユカリが答える。

「パステト神の、信者を名乗ってました、聞いたことのない神で、生贄が必要と話してました、皆、不思議がったんですが、忍は何か、気になってたようね」


どうやら、気になってた事を、見透かされて居た様だ、これは嘘はつけないな。


「じつは俺の居た地域では、似たような名前の神が、伝承でありました、冥府の神のはずなんですが、生贄を求める神ではなかったと、思いまして」


「ほほう、冥府の神か、闇魔法と言い、何か関係があるかも知れん」


「多分、知識の有る人が、神を利用してるんだと、思います」

タケダ伯爵、ユカリに返事をする。


「教団で思い浮かぶのが、15年前の教団か、ツクヨミ教団だったかな」


驚いた、この世界で、地球の神の名前を、何人も聞く事になるとは。


タケダ伯爵は、鋭い眼光で、俺に話を振ってきた。


「その様子だと、ツクヨミの神も、知っているようだな、神の名は、一部の貴族しか知らん」


どうやら、試されたようだ、これは話すしかないな。

「ツクヨミも、俺の地域の、伝承の神ですね、こちらも夜の神様です」


「坊主の住んでた地域は、特殊なようだな」


「どちらも、夜や闇の神ですが、邪神ではなかったと思います、少なくとも生贄を必要とは、しなかったかと」


「だとすると、15年前と同じ、闇教団の再来か」


15年前に何かあったようだ、闇教団、これがどんな教団なのか、おぼろげに恐怖を感じた。


アシヤ子爵が話しだす。

「過去に、闇教団事件があってね、アシヤ領も大きな被害を受けたんだ、君たちが丁度、生まれる前後だね、大きな事件で、内乱直前までの大ごとになったんだ」


「あの時は最悪だったわね、オダが領地を手放すきっかけに成ったし、たしか騎士団長が退役したのも、時期が重なるわね」


ここで元騎士団長の話になるとは、何か有りそうだ。


「わしも前線にいたが、狂信者の恐ろしさが、際立った事件だったな、確かミヤモトの婚約者もあの時期に、命を落としてたな」


アシヤ、オダ、タケダの話によって、なにか繋がりが見えてきた気がした。


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2、3日に1度で8時に上げます、PCが長時間使えないので、メンテしながらです。

申し訳ない。

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