第10話 帝都への道と刺客と冒険者

道中何事も無く進めたはずだった。


嫌な予感は当たる、変なところがテンプレだ。


崖近くの細い街道でトラブルは起きる。


丁度2日目の街を出て難所に差し掛かる。


急にシキモリさんが馬車を止めた。


「ユカリ、ミズキ、忍、戦闘準備だ」


「なにかあったのシキモリ」

確認を取りながら、ミズキさんも刀を持つ


「ミズキ前の道を、馬車で塞がれてる要注意だ」


馬車のペースを落としながら走る。


まだ遠くに見えてるぐらいだが、道半分が塞がれてるようだ。


「忍はお嬢の。そばに居ろよ、ミズキと俺で出る」


倒れてる馬車の近くに来た時に、矢が飛んできた。


やはり襲撃のようだ、5人ほどの黒装束が来た。

2対1でこちらが不利だ、俺は戦力にならない。


ミズキさんと、シキモリさんが斬り結ぶ、2人ずつで押し負けてない、強い。


一応私も刀を抜くが怖い。

「男でしょう、しっかりしなさい」


ユカリさんに発破をかけられるが、抜いた刀を恐る恐る持つ形だ。


一人の刺客が近くに来る。

「殺しはせん、人質になってもらおう」


ユカリさんも斬り結ぶ。まるで時代劇を見ているようだ。


「中々やるが、所詮子供だな」

ユカリさんの服が斬られる


俺は震えが止まらなく、両手で刀を持ったままだ。


ユカリさんだけ一人相手だが、結構きつい戦いの状況だ。


シキモリさんが一人の腕にキズを負わせたが、基本数の多いほうが有利だ。

ミズキさんも一人足にキズを負わせた、ただ、戦闘不能ではなく人数もそのまま。


斬るのは怖いが峰打ちならと、刀の刃を反対に持つ。

斬るのは怖いが叩く事はできると判断。


隙をうかがいながら、敵が近づくのを待つ。

前に出れば当たりそうな所まで、ユカリも誘導していた。


後から馬車の音がした、そこで襲撃者は皆ひるんだ。

しっかり両手で持ち足を狙う、踏み出してバットのようにフルスイング。


「ぐあ、小僧震えてたのに演技か?」


演技のわけがない、大きな刃物を始めて振りかぶるのだから。


こちらに剣先が向いたとたん、ユカリは隙を見逃さない、


袈裟懸けにユカリが斬り込む、肩に刀が命中した。

刺客は刀の利き腕を、切られ刀を落とした。


この時点で後続の馬車は、大急ぎで駆けつけてくる。


目の前まで来た御者と2人の人が降りてきた。


「おい大丈夫か、坊ちゃん、嬢ちゃん」

御者のおっちゃんが話す。

3人の冒険者風の男2人女1人だった、御者の人は太刀、若い男の人は剣。

女の人は杖だった。


「加勢しようか?」


「お願いするわ」

形勢が逆転、男の人2人が、シキモリさん、ミズキさんに加勢。


こちらには女性がサポートしてくれた。


「もう大丈夫よ、アースランス」


石の槍が刺客に飛んだ、もう片方の腕に刺さる。


刺客は逃げに入った、ただ逃げれない、こちらは7人なのだ。


時代劇の真似で首に峰打ちを当てる。


「うわぁ、過激ね」

杖のお姉さんがひいていた。


両手で持って、思いっきり叩いた為、刺客は気絶していた。

後で知ったが、死ぬことも有るらしいとの事、気絶でよかった。


殺しても罪にはならないが、心情の問題である。


シキモリ、ミズキ組みも戦闘が終ったようだ。皆、生かしているようだ。


全員で集まり敵を縛る。


「ユカリケガはないかい」

シキモリさんが確認に来た。


「服を少し斬られたぐらい、大丈夫よ。忍は大丈夫?」


「刀が手から…」


シキモリさんが、ゆっくり刀を手から離してくれた。

刀を離してくれた時点で座り込んでしまった。


応援に来てくれたパーティーと合流。


「皆大丈夫かい、それにしても襲撃とは、えらい災難だな」

パーティーのおじさんが話す。


「ありがとう御座います、帝都でお礼をさせていただきます」

ユカリがお嬢様モードで対応。


「お礼ならギルドを通してくれ、成績になるからな、俺達ゃ竜の爪てパーティだ。俺はタカトラ、若けぇのがウコンで、お嬢がセナだ」


「よろしく」「よろしくぅ」


「分かりました、オダ家のユカリです、お礼はギルド経由で致します」


「で、こいつらどうする」


「帝都まで護送しましょう」


「まあ、血を見るにゃ、坊ちゃんには酷そうだからな」


「刺客っぽいが盗賊で処分されるだろう」


「同行お願いするわね」

ミズキさんも同意した


こうして襲撃は一段落した、馬車二台での旅となった。

襲撃者は以前の盗賊と同じく、結わい付けられた。


セナさんが、こちらの馬車に同乗した。

5人だと括るのに厳しいので、半分は竜の爪の馬車で搬送となった。


竜の爪のメンバーも、括りつけには、ひいていた。


「忍大丈夫?、調子悪くなったら言ってね」

大分心配かけた様だ、刀を使っての戦いは、慣れそうに無いと思うのであった


暫く走ると帝都の城壁が見えてきた、流石に大きい。


大所帯での帝都入場となる



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