第2話 転移と神様

光が収まると周りが、見えるようになった。

事務所のようなところに立っている。人が居ない。


事務机やイスのデザインが、おしゃれな西洋風であった。

扉からノックの音が。何があったのか、わからず焦る。


外から声がした「入るわよ」

入ってきたのはスーツを着た綺麗な女性と事務員なような男の人であった。


いきなりだったので焦った。自宅でのんびりしてたので、Tシャツに短パンなのだ。

「うおぉ、なに、どこ、どうした」支離滅裂な返事に。


女性は話し始めた

「こんにちは、だったかしら?落ち着いて、お茶でも出すから、そこに座って」


事務机近くのソファーをすすめられた。

イスを勧められ、とりあえず座ることにした。


「ミルクと砂糖は必要かしら」

飲み物が何か分からなかったので、思案し返事をした。

「紅茶かコーヒーなら、両方入れてください」


「あら、ごめんなさい、話してなかったわ、紅茶よ」


少し気分的に落ち着いてきた、ただ少し恥ずかしい、服装が薄着だ。


聞きたいことを聞いてみる。

「ここはどこですか、あなたたちは何者」


紅茶を一口飲んでから話し出す。

「ここはあなた達の世界で言う、神の世界や天国と呼ばれる所、そこの入り口にある事務所、私達は神様や天使と呼ばれる存在なのよ」簡単に答えてくれた。


「神様、天使すごい、マジですか、あれ、でも死んだ? 何でこんな所に?

もしかして、転移、チート、勇者、ファンタジーか」

私は興奮気味に女性に話す。


女性神が少し困った顔をする、隣にいる事務員の男性も困惑気味だ。


「神様の世界に君が来ていることは確かなのよ。

ただ、呼んだんじゃないの、こちらもやってもらうことはないのよ」


がっかりする。さらに状況が話される。

「あなたたち人間は本来ココに来ることは出来ないし、来る事も最近はなかったの。君達が八百万の神と言ってるのが私たち」


一息ついて更に話し始める。

「で、なんで君がここにいるのかと言うと、過去に異世界に迷い込んだ人が、異世界の物を、君達の世界に持ち込んでしまったの」



私は興奮してしまった。

「異世界に行った人がいる。しかも帰ってきてる。マジですか」



女性神は私が興奮しているので、すこしきつめに注意する。

「少し落ち着きなさい」


注意されて少し、こわかったので心を落ち着かせた、女性は怒らすと怖い。


落ち着いたのを見計らって再度話し出す。

「あなたの世界に持ち込まれたのが、魔方陣と1冊の本なの」


本と魔方陣で気がついた、今日古書店で買った本だ。


私の顔色を見ながら更に話を続ける。


「本来なら、そちらに帰すときに、異世界のものは回収したんだけど、本には魔法陣が入っていて回収時に紛失していたの、その本が君の手に渡ったというわけなの」


詳細を話し終えると一息ついて、紅茶を飲んだ、私も頂いた。


ただの遺失物の回収だったと、がっかりしてしまった。


そこで気になったことを話す。

「じゃあ、お礼か何かで呼ばれたんですね、分かりました帰ります、つうか帰り方わからないんですが」


再度、困惑の表情を浮かべる。何かほかにあるんだろうか?


おもむろに話し出す。

「実は元の世界に帰せないのよ」


「え?なんで、どうして?」私は驚愕する。


事務員さんが申し訳なさそうに返事をする。

「実はあの時空魔法陣は、若返りの魔法陣でね、君自身に契約効果が出てるんだ。

使用されたが正しいね」


話を聞いてびっくりした、鏡を出してくれた。

「え?若返ってる?」


黒目、黒髪、身長は170センチ超えてる感じ。

ちょうど15歳のときのように童顔。

髪は短く後に軽く流す感じ。

体系は細い、若返ったのもありぽっちゃりではなくなった

気がついていなかった。

言われてみれば無精ひげのあとが無い。


事務員さんが更に話す。

「今の状態で元に戻すと、パニックが起きるので、帰せないんだ」


そんなことに、なっているとは、どうすればいいんだ。


途方に暮れていると、事務員の人が、再度話してきた。

「私は時空を管理する部局に居るんだが、異世界なら転移させてあげれる」


「それはどういうことですか?」

気になって聞いてみた。


「転移は出来るけどチート、などは出来ないてことかな」

淡々と事務員さんは話す。


「よく君が居た地球の日本では、ラノベがあってはやってるね。俺たち神は、そう言う事しないんだ。

生物全体と環境の最低限を管理するのが、俺達の仕事であり、願望や欲望をかなえる者じゃ無い」


「じゃあ僕はどうなるんですか?」聞いてみた。


「チート禁止なの、だから 君達が言うチートは授けれないルールでね。どうしようか会議をしていたのよ」

女性神さんが困惑気味に話す、それで誰も居なかったのかと納得する。


さらに言葉を続ける。

「そこで、結論としては君達の世界に似た世界に、行ってもらうと決まったのよ、君達で言う剣と魔法の世界、魔物も多いけどね。」



「行けるんですね剣と魔法の世界に、わくわくしてきました」希望が見えてきた。



「私が管理している世界で一時期、君が言うようなことが、試されていた世界なんだよ、現在は神の関与は最低限だけどね」

私が管理と言うことは女性神が管理者ようだ


「じゃあ行かせてください、ぜひ、でも魔法使えるのかな?言葉は通じるの?」


「使えるようにはなるわよ、努力は必要よ。言葉は分かるように、今回だけは特別に神の関与が認められたのよ。

ただし、神の世界に居たことはいいが、翻訳能力をもらったことは、しゃべらないでね」


「関与できるとなると、問題になるからね。君自身があぶないからね」

意味深な言い回しで、事務員さんも話す。



事務員さんが更に話す。

「最低限の、お金の代わりと、服、武器、それ以外は自分で調達が必要。

あと君の年齢は15歳まで、若返ってるからね、ハメをはずし過ぎないように」

オヤジのような忠告だw 着替えと袋をくれた。


「ありがとうございます。俺がんばります。神様の名前は、聞いちゃまずいですか?」気になったので聞いてみた。


神様は言ってなかったっけと言い、女神様がまず話す。

「私の名前はヘべよ、女神へべ」


事務員の神様も話した

「僕の名前はクロノス」


「へべさま、クロノス様ありがとうございます。」


異世界へと夢を乗せて元おっさんは、冒険と青春の旅に出ることに。

異世界に降り立つことが決まったのである。



元おっさんの転移が終わり事務室は、男神と女神様だけになった。


クロノスがへべに話しかける。

「へべこれで良かったのか、あの世界は…」


へべが答える

「世界は変わるかもしれないし、変わらなければそれまでよ」

女神へべは悲しそうな表情を見せた。



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