第20話 学園と身分

朝は教会の鐘の音で目が覚める、今日からは自分で起きる必要がある。

カグヤさんは起こしてくれないのだ。


おきてシャワー室で顔を洗う。


学生服に着替え窓の外を見る。


基本学園は王城に近い貴族街と高級住宅街の間に、またがって建てられている。

王城と学園近くの辺りは台地になっており北の山からの水で豊かだ。




オダ家にいた一ヶ月の間に騎士や身分について教えてもらった。

一応年金のようなものが在り、貴族には最低限支給される。金貨20枚だ。

私は年金は、学園生活に当てなさいと言われている。


俺も貴族なので最低限の経費は寄り親から出る、遺族年金扱いだ。

俺の親は任務で殉職して、騎士爵を頂いた扱いとなっている。

卒業すれば家名を継いだ形で、正式な騎士爵がもらえる形になる。


現在は他の生徒と同じ名誉騎士爵相当、

名誉職なので貴族ではあるが、騎士爵より下扱いだ。


学生の地位は、分かりやすく言うと、市民より上、貴族より下だな。

扱いとしては中級兵士扱い。軍では一個小隊、隊長相当かな。

市民の子は位が上がることに、貴族の子は下がることになる。



朝は食堂は6時から開いている。

刀の手入れをして、居る所あゆむ君が迎えに来た。


昨日のうちに仲良くなった、このえさん、あゆむ君、ゆかりさんで、食事の約束をしていたのだ。


食堂では時計は寮の階段近くに、壁掛に掛けられている。だから時間が分かる。

はやく自分用の時計も欲しいが、金貨数十枚するので贅沢いえない。

不可能ではないが収入のメドが立つまで我慢だな。


ちなみにユカリさん、このえさんは持っている。腕時計タイプだ。


食堂では女子二人が待っていた。

「「「「おはよう」」」」みんなで挨拶をした。


昨日のメンバーで食事、趣味やとりとめのない話をしていた。


そこで高級食堂から大声が聞えた。


「料理長を呼べメニューが注文と違う」


この声はタケダである、相変わらず文句が多いようだ


このえさんが話す。

「親父さんは豪快な、良いお人やねんけど、息子はんは、あきまへんわ」


「そうなんですか」気になったので聞いた。


「素行が悪うて、勘当もあるかもと、ちょっとお灸すえてくるわ」

タケダの、お家事情を知っているようだ。


しかも刀もって意気揚々と止めに行った、気になったので後をついていく。

女の子一人には出来ないしね。他のメンバーもついて行く。


「おれは伯爵家だぞなめてるのか」


鞘入りの剣で女性給仕らしき人を叩こうとしている所で近衛さんが鞘入り刀で受けとめた。


「なんだ女でしゃばるな、文句でもあるのか」


「あんさん、ええ加減にしなはれ、初日も揉めとったな」


「お前には関係ないだろ、引っ込んでろ」


「ここでは親の爵位は、役にたたへんよ、扱いは貴族ゆうても一番下や」


「ふむ修練場へ出ろ」お付の二人の学生と出る。


「ちとこらしめんと、わからんようやな」このえさんも続いて出る。


腰を抜かしていた女性給仕を助け上げイスに座らせた。

「だいじょうぶだよ」と安心させてから追いかける。


学園には暗黙の決闘ができる所がある、修練場での訓練だ。

痛みはあるが、けが人が出ない対策がされている。


二人が食堂を出て連絡通路へそこから奥に行くと平屋の建物が。

中に入ると体育館のように、違いがあるとすれば下が土だ。


「ゆかりちゃん審判お願い」このえさんが話す。


置かれているいろいろな武器の模擬武器から、二人とも刀を選んだ。

タケダは剣でなく刀に決めたようだ。


「魔法無し剣技のみでいいですか、基本大ケガしないよう結界は張られてますが、大ケガ状態になると強制的に動けなくなります、そこで終了となります。よろしいですね」


土の上に魔法陣が浮かぶ、便利な判定機能が闘技場にはあるようだ。

壁にある番号の青いランプが連動、それぞれの模擬武器に番号が付いてるようだ。


「かまわんぶちのめしてやる、女でも容赦せん」


「ええ加減すえかねたから、体に教えこんだるわ」


「了解では、オダ家が審判を勤めます」

オダ家ときいてタケダの顔色が少し変わった。


二人が中央に移動し真ん中少し離れた所で向かい会う。

「両者いいですね、始め」


合図とともに直ぐに刀と刀が交わる。

タケダは叩きつけるように上段から攻撃、このえさんが、刀を斜めに持ちそらす。


はじかれた所から更に横から脇を狙う、このえさんが又刀の峰部分ではじく。

下段、逆ケサ斬り斜めに下から攻撃をタケダが狙うがそれも紙一重で避けられる


何度もタケダは攻撃を仕掛けるが、逸らされる、弾かれる、避けられる。


少しタケダの息があがったところで、今度はこのえさんが方からケサ掛けに攻撃肩から斜めに切り裂く


タケダのランプがオレンジに、さらにタケダがよろめいた所に突きで赤ランプにそこで終了となった。


技量はよくわからんが私にはまだあれほど戦えない。


「ま、まけた、俺が負けた」タケダがつぶやく


「これにこりたら、無茶は言わんことやで」このえさんが話す。


このえさんつえぇ、ある意味こう言うテンプレは主人公の役割なんだが。

私にはテンプレが来ない、まあ来てもぼろ負けだったろう。

なぜか悩ましい騒動であった。




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ある意味テンプレであって、なんで俺じゃないの、てな感じです。

次回から入学になります。だらだらは性にあわないんで。

青春スキルもそろそろ情報出します。

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