第34話 帝都と信者

魔物も大分減ったので、轟音が響いた方向へ。


アースリザードがいた、死線を潜り抜けた戦闘が思い浮かぶ。


しかも2匹、騎士団が苦戦していた。

後ろに人影が見える。


「おい、逃げろ俺達が抑えてる、騎士団詰め所まで逃げろ」

騎士が叫ぶ。


動く気配が見られない、マントを着ている人が、魔物の背後に、ただ立っている。


そこに、竜の爪とオダチームが参戦、一挙に形成はこちらに向いた。

あくまでもメインは騎士団、サポートが竜の爪と、オダ組みであった。


前回と違い、騎士団のフォローなので、難しくは無かった。


其々、竜の爪、オダ組みで1匹ずつに別れサポート、なんとか斃すことに成功した。


「たすかった、君たちは学生か、慣れているな、急に2匹出てきて、押さえるのがやっとで、手が回らなかったんだ、俺は分隊長のシマだ」


騎士団の分隊長に、感謝された。


「それとそこのフードの人、逃げろ」


「ふふふ、はあっはっは、ひぃっひひ、成功だこれで復讐ができる、最高だ」


不穏な空気を感じ、戦闘態勢に入る。


騎士団員が近づく、急に騎士団員が斬り伏せられる。

マントがハズレ顔が見える。


知らない男であった、ミヤモト先生か、学年主任かと思ったんだが。


「この時を待っていたんだ、あの、お方の力で、魔物を召還出来た、我等、神に選ばれし者、貴様らのような無知、無能と違い、この世界を救済する、使徒である」


イカレテやがる、この事件の犯人と言ってる様な者だ。


「同士よ協力せよ、我が神に協力せよ」


「その神とは何者だ、貴様は何者だ」

シマ分隊長が冷静に言葉を返す。


「我が名はユウサイ、パステト神の元に集え」


似たような神がいたな、確か冥府の神だろう、解釈を解いたところで、聞きそうにないな、誰かが利用している可能性はある、テラス神もそうだが、地球と違うからな。


シマ隊長が斬りかかる、ユウサイはかわした。


意外にすばやい、直ぐに騎士総出で、押さえにかかる、そこが油断だった。


横から、もうひとり出てきた、魔物が召還された。


騎士は総崩れになりそうな所に、竜の爪と俺達が対処、何とか戦線は維持。


コート男がユウサイに話す。

「つまらん御託を言わず、引け」


声に聞き覚えがある、ミヤモト先生じゃないかな。


竜の牙が魔物の隙を抜いて、コート男に斬りかかる。

避けた拍子に、フードが斬り裂かれた、ミヤモト先生だ。


「ミヤモト先生、何やってるんですか」


「くっ、マズイ引き上げるぞ」

だがユウサイは、騎士に囲まれ捕縛された。


こちらはミヤモト先生を、追おうとしたが、魔物に阻まれ、逃がしてしまった。


シマ隊長が叫んだ。

「おい、意識が無いぞ、何か飲んだ直ぐに吐かせろ」

ユウサイが白目をむいている。


こうして、スラム街での攻防は、落ち着きを見せた。

シマ隊長が聞いてくる。

「生徒諸君、あれはミヤモト元騎士団長か」


「ミヤモト先生に、間違いないと思います」


「君たちは、少し休みなさい、学生はあくまでサポートだよ、援軍は助かった」


騎士団はそう話すと、移動した、学年の集合場所に、引き返す。


「貴様らすごいな、誰一人吐いてないな、俺とアサイは大丈夫だったが、他の奴らがダメで、大変だったぞ」


どうやら、タケダはアサイと、協調出来ていた様だ。


「僕達の方は、大丈夫だったぞ、タケダはかなり、きつそうだったが、我慢してたしな」


「あんなのは大丈夫だよ、大したことねぇよ」

かなり、仲は改善できた様だ。


ヤギュウ先生が来た。

「皆大丈夫、かなり戦闘は、落ち着いてきたけど、まだ、魔物は居るわよ」


まだ警戒は切れないのと、ミヤモト先生が、何処に行ったのかだな。


「ミヤモト先生、見ませんでしたか」

目撃があるかも、知れないと思い、聞いてみた。


「見てないわよ、会ったのミヤモト先生に」


「会いましたが、今回の件に、絡んでいる様なんです」


「君たち暫く、その話は、他にしないでね、こちらで確認してみるから」


教師が、犯罪者かも知れないなど、不安しかない、皆もうなづくしか、出来なかった。


戦闘音も、大分落ち着いてきた、ササキ先生が来る。


「皆、疲れただろう、けが人は、救護班を連れてきたから、申告しろ、手の開いてる奴は、魔物の処分を手伝え、道の横に避けるだけでいい、馬車で処理する」


片づけが始まった、汚いやらキモイやらで散々である、これが森だと有る程度放置でも、問題ないのだが、街中だと大変である。


市民も手伝いに来ていた、お金が出るらしい。


街中の魔物は意外に多く、学生、騎士団、稼ぎたい市民で、魔物の片づけが終了。

幸い、けが人程度で、死者は出なかった様だ。


その後ササキ先生と、ヤギュウ先生から、私たちだけ会議室に呼ばれた。


「見かけたのは、ミヤモト先生で、間違いないんだな」


「間違いなかったと思います、フード付きのコートを着てましたが」


「なんかの、組織みたいな、口ぶりやったな」


「ユウサイと言う男が、パステト神がどうとか、言ってましたね」


俺とコノエ、ユカリが補足する


「聞いた事のない神様ね、過去の記録も、調べてみないと判らないけど」


「そうだな、俺も聞いた事がないが、過去にいた、何かの教団かも知れん」


「先生方も、聞いた事ないんですか」

教師陣にも判らない様だ、何者かが神様を、語っているかだな。


再度かん口令を言い渡され、その日は解散となった。


まだ、終りじゃないのは確かだ。


ーーーーーーー-ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー14日8時に上げます。

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