第15話 帝都と青春スキルの条件

今日もカグヤさんが起こしに来た。


「起きないとダメですよ、時間は待ってくれませんよ」

布団をひっぺがされ起こされた。相変わらず強引な起こし方だ。


昨日はきつかった、いい感じにこれで俺も、異世界テンプレの仲間入りだと思った。

世界は甘くない、風呂のテンプレは、ギャグマンガのテンプレだった。


朝食の準備を始めた、訓練用に汚れてもいい服に着替えて部屋を出る。

カグヤさんもついてくる。


用意してもらった朝食を頂く本日は、ミートソースパスタ上にはバジル、ポーチドエッグにサラダ、バゲットにバター、スープは海草系のさっぱりしたものであった。


ひと段落した後に、カグヤさんと入れ替わり、ヤガミさんから朝の指導。


この世界の技術水準は明治大正に近いが、一部、前の世界を超えているようだ。


訓練のあと昼前にシャワーを浴びる。カグヤさんが、着替えとタオルを渡してくる。

少し座って、休憩の合間にギルドカードを見る、ポイントが50上がっていた。

検証が必要なので、こまめにカードは見るようにしよう。


カグヤさんが、給仕の手伝いをしながら、食事の準備を手伝っている。

昼食はごはんに、カツ揚げ、サラダがひいてある、味噌汁には合わせ味噌のようだ。

あいかわらずこの世界の、バゲットとコメは中々うまい焼きたて炊きたてもある。


昼からは魔法の訓練、魔法では少しマッチのような火が付いた。

少しづつ体が、この世界に順応しているようだ。


夕方になり夕食、本日は焼肉、ご飯が用意され、焼肉にサラダ、卵焼きに、味噌汁。

肉は牛肉のような肉で脂のさしが多く高級和牛に近い感じだ料理人が目の前で焼いてくれた高火力の大型の七輪のようなもので焼いてくれた。

焼きたてが提供されるとは、いい家ならではの食事風景だろうと思う。


食事が終り紅茶が用意される、今日は、ぶどうの香りのする紅茶だ。

紅茶を頂きながら、パイのようなデザートが、紅茶とデザートを頂ながら話す。


ユカリさんから、前の世界の話の、続きを聞きたいとの申し出で、話すことに。

「それで、シノブは前の世界で、彼女とか婚約者とかいたの」


「いや前の世界では、この年齢では、居る方が珍しいよ」


「そうなんだ、この国では15歳で、結婚も結構あるけどね」


「ゆかりさんは居るの」


「居ないけど候補は、絞られているみたい、学園在学中に婚約か、卒業してから婚約かは、判んない」


「そうなんだ」


まあ時代が、古い価値感に近いから、予想どうりであった。

実際は40年近く、私は彼女無しなんだが、さすがに若返ってるとは、話せない。

バレれば、この世界だと、モルモットもありえるからな。


「決められた婚約とか、政略結婚いやじゃない?」


「特に今は、何も思わないわね、恋愛で決めれれば良いけど、未だに貴族は少ないわ、家の格もあるし、国同士の問題もあるわ」

納得した、この世界は平民は、自由恋愛のようだ、貴族てことは、私も入るのか。


「あなたも自由に決められる、可能性は高いけど、寄り親の権力が大きいから、厳しいかも知れないわ」

よく考えたら、辺境伯が寄り親だもんな、難しそうだ。


「ユカリさんも候補なの」


「多分私も、候補だと思う、ただ、なんともいえないわ」

返事をしたユカリさんは、少し照れていた。

まだ、知り合ったばかりだが、選べるなら悪くない選択だ。


ユカリさんが、話を変えてきた。

「学園はどんな感じ、この国より教育のレベルは、高そうだけどな」


「聞いた話からすると、多分、もといた所の方が高いと思う」

受験で四則演算と、国語と社会歴史だけだと、元の世界では、中学校お受験レベルだろう。


「遊びとか、同級生とかはどうなの」


「基本ゲームとか、本が手ごろだから、それで余暇を楽しんでたかな」


「ゲームどんなの」


「ボードゲームとか、物語りの空想劇の本とか、マンガかな」


「ボードゲームなら、あるわよ、リバシー、チェス、将棋かな、本は純愛小説とか、空想と言うより、史実の英雄物語なんかね、後は純文学、絵物語そんな感じかな、漫画はよく分からないわ」


「多分。絵物語がマンガだよ」

やはり、昔の日本に近いようだ。


それからは、とりとめのない話をして、一段落したところで解散となった。

ギルドカードを見ると、50ポイント入っていた。



話が終わると、応接室に移動して、一般常識の勉強である。


「さあ始めるわよ、本を開いて簡単に説明していくわ、貴族のルールは知ってたら良い程度よ、学園には貴族の考えで話す子もいるからね」

図解入りの本が、手渡された、どうやら野菜や果物の本、動物と魔物の図鑑、後は貴族のルールの本のようだ、あと数日でこれを覚えるのか。


本を開けて見ると、果物野菜は前の世界に似ている、名称も多少違うようだが、違和感はすくない。りんごがアプル、桃がピッチ、ぶどうがマスカルとか、似てるが微妙に違う、覚えやすいかな。

大根、白菜はそのまま、野菜は日本語に、果物は英語名に近いものが多い。


魔物は、帝国の街や街道で出る、可能性の有るものが、中心のようだ。

図解が入ってるので、分かりやすい、特徴と名前が入っている。


貴族とルールは基本、貴族同士のルールのようだ、上位貴族への謁見の仕方、挨拶の仕方が、書かれている程度。


後は貴族の義務や、貴族同士の取引ルール、禁止事項、決闘条件などのようだ。

つうか決闘あるのかよ。


わからんものは仕方ない、覚えれるだけ、覚えるとしよう。

この世界では、私は知識が無いのだから。


カグヤさんが時計を出して、時間を確認、夜も更けてきて、終了となった。


「そろそろお風呂の、用意が出来ますご準備を」

自室に戻り、風呂の準備をする。


お風呂が終わると、ギルドカードを確認すると、10ポイントが増えていた。

たぶんユカリさんと、恋愛や学園の話をしたのが、良かった様だ。

後はなんだろう、洗ってもらえるかもと、妄想でもポイントが入るのか。


相変わらず、不思議なポイントである、なんとなくだが、貯め方が見えた。

欲望の心残りを、残しながら、刀の手入れをする。


こうして受験日前日までの、勉強と訓練をこなしていた。


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