第14話 帝都とスキル
屋敷に帰るとカグヤさんが直ぐに出迎えてくれて、応接室について来た。
カグヤさんが直ぐに、お茶の準備とお菓子の準備を始めた。
入れてもらった紅茶を飲む、今日の紅茶は桃に似た果汁が入っているようだ。
この世界の食品何も知らないが、根掘り葉掘り聞けないのがもどかしい。
多分名前だけ聞いてもわからないし、そういう意味ではこの世界では無知だ。
この世界に来てから食事は出されたまま、口に入れている感じだな。
「ふう、一息ついたわね、それで、スキルや能力はどうだった、質問は聞くわよ」
カグヤさんに紙とペンを用意してもらい、能力を記載する。
この世界の紙は少し茶色く厚い紙である、ペンは竹ペンか、羽ペンである。
鉛筆もあるが、鉛のチョークのような感じだ。万年筆も、あるようだが高いらしい。
記載が終わるとミズキさんに見せる。
氏名 カミヤ シノブ
年齢 十五歳
所属 なし
種族 人間
賞罰 なし
武技 なし
魔法 無属性
スキル なし
特殊スキル 青春 青春ポイント
加護 女神へべ、クロノス神
ポイント150(残高不足、未開放)
「特殊スキルがあるわ、加護もあるわね、神様もスキルもどちらも聞いたこと無いわね、この世界の信仰が大きい神はテラスよ、他にも伝承があるけど、世界中の教会で主に祭られてるのは女神テラスよ」
なるほどあの神像は女神テラスだったようだ。
「あと分からないのは、スキルかしら、ポイントは多分そのスキルの名前にあるとおり、何が青春なのか条件はわからないわね、ただ特殊スキルは一般スキルと違うから、いい事はあるわよ、ポイントは集まるのを待つしかないわ」
結局棚上げになった、青春といえば、てな感じだろうか、学業、恋愛、スポーツ、趣味、異世界でやりたい事を、これも入るかな?
とりあえず、腐らず神様の話してた通り、異世界を楽しむしかないか。
よく分からないスキルに困惑である。そういえばチート定番の鑑定とかは、気になるので聞いてみた。
「鑑定とか、強奪とか、魅了とか、何倍強くなるとか、有るんですか」
「鑑定意外は特殊スキルであるかもね、個人用のスキルが特殊スキル。あとからは覚えられないわ、鑑定は知識依存よ、簡単には覚えられないわよ。たとえばこの紅茶、何が入ってるでも、紅茶自身の知識が必要、知らなければ役に立たないでしょう」
言われてみればそうだ、この料理の材料は、と言われても材料を知らなければ、答えられない、甘くはないか。
「ただスキルは使えるようになれば、ギルドカードに詳細出るわよ、空中に透明な板がでて、触ると表示されるわよ。表示されないのは条件を満たしてないから、不要と判断されてるんだと思う。ギルドカードは失われた技術の分かる所を使ったものよ」
やはりファンタジー世界、ギルドカードはオーバーテクノロジーのようだ。
暫くはチートできないようだ。
話もひと段落したところで、お茶とお菓子を頂いた。
「魔法の修行ってどうやるんです」
「じゃあ魔法の練習、始めましょうか」
「まずは体の中の魔力を感じるのが必要よ、胸の心臓辺りにあると念じてみて」
瞑想するように目を閉じて、ゆっくり感じてみる、何か暖かい感じこれかな、ろうそくの明かりのような感じ、多分そうだろう。
「少し違和感がありました、ロウソクの明かりみたいな感じ」
「感知できたみたいね、それが魔力、ただロウソクの明かりみたいなら、暫くは魔法、最低限しか使えないわよ、感じる魔力があなたの強さよ」
魔法能力、ともし火らしい、チートどころか、使えるのかな、でも暫く?どういうことだろう、聞いてみた。
「ああ暫くと言うのは人や魔物は。食事やら生活で体に魔力を取り込むのよ、だから感知の訓練してれば、そのうち能力も魔力も上がるわよ」
なるほど人や魔物は魔力用のスポンジみたいなものか、納得である。
「魔力を感知した状態でどんな魔法に変えるか念じれば、出るわよこんな感じ」
みずきさんがライターのように、指先から火を出した。
おお、魔法すげー、やっぱりあるんだ、これは私も成功させねば。
最低限の魔法は魔力を使えると念じるらしい、超能力みたいなものか。
結局、出そうに無い、イメージが悪いのか魔力が少ないのか、後日リベンジだ。
「そろそろ夕食の、お時間ですね」かぐやさんが、懐中時計のようなものを見ながら話した。
色々話している間に夕食の時間が来たようだ。
3人で食堂に向かうことになった。
食堂ではユカリさんと、しずくさんが着席していた。
「勉強ははかどってる?」ユカリさんに聞かれたので「それなりに」としか言えなかった、
全員が昨日と同じ配置で座り食事の準備が始まった。
今日は丼物と味噌汁、皿にはサラダに乗せたトマトかな、漬物はナスのようだ。
丼を開けると蒲焼がのっている、椀を開けると今日は白味噌のようだ具材は豆腐とネギが少々わかめも入っている、食器は箸がおかれている。
直ぐに食べ終えるとカグヤさんが「おかわりは」と言われたので遠慮なく頂いた。
いい飯すぎて太りそうだが朝練習があるから大丈夫だろう。
気をつけねば元世界の二の前である。
食堂でお茶とお菓子に決まった。
俺、食べてばかりだなと思う。一息ついたところで、しずくさんから質問が
「冒険者ギルドと、教会で用事は済ませたのね、で能力は使えそうかしら?」
質問に対して先ほどの検証で使った紙を出す。
「なるほど、特殊スキルと加護もち、これだけでも凄いわね」
「私も思うけど加護自体あるの珍しいわね、普通よほどの信徒じゃないと、加護なんて神様はくれないわねえ、お母さんの言う通り」
そういう意味では神様に好かれているようだ。
加護が気になったので聞いてみた。ミズキさんが答えた。
「加護の効果は様々、基本はスキルとしての加護、あとは神様特有の能力が、身につくこともあるわ、鍛冶の神なら鍛冶の能力とかね、必ずじゃないけど普通の人より能力は上がるわ、その点ではラッキーよ」
神様補正があるらしい、神様に感謝だな。お茶とお菓子が終わり自室に戻ることに。
なれていないのと時間が思ったより過ぎたので、話し合いで今日は終了となった。
くつろいでいると、ノックの音が鳴りカグヤさんが入室してきた。
「お風呂の準備が出来ましたので、ご案内に」
昨日と同じである。脱衣所で服を脱ごうとデジャブを感じた。
「カグヤさん、何で、中まで?」
「お着替えのお手伝いを、と思いまして」
「いや、いいですよ」
「かしこまりました、では、これで失礼いたします」
流してくれないの背中、止める間もなく、カグヤさんは出て行かれました。
複雑な心境で入った、即答した方が、よかったのか、今日は少し静かであった。
こうして夜は更けていく。
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